(『フセインの挑戦』小山茂樹著から抜粋)
1961年6月に、クウェートはイギリスの保護領から脱して、独立国になった。
クウェートは、『立憲君主制』を採ることにした。
そして同年12月に、20人から成る憲法制定国会議員が選出され、これに閣僚が加わって『憲法起草の委員会』が結成さた。
この結果、1962年11月に新憲法が公布された。
この憲法を見ると、「イスラム教を国教とし、イスラム法のシャリーアを立法の源泉にする」としている。(第3条)
そして、「政体は民主制であり、主権は国民にある」としている。(第6条)
主権は国民にあるはずだが、首長は世襲で絶対的な権力を付与されている。
すなわち、「第7代首長のムバーラク・サバーハを祖先とする者が継承し」(第4条)、「首長は国家元首で不可侵」である。(第5条)
首長には、立法権と行政権がある。
国会で議決された法律への拒否権があるし、国会が休会中には法律と同じ効果をもつ勅令を出せる。
さらに、国会を停止・解散する権限も有している。
(2014年8月20日に作成)