(『イスラム・パワー』松村清二郎著から抜粋)
サウジアラビアは、アラビア半島の5分の4を占める「砂漠の王国」である。
北はネフド砂漠、南はルブ・アル・ハーリ砂漠、内陸部も砂漠であり、かつてアラビア半島を支配していたオスマントルコ帝国も、沿岸部の都市を間接統治しただけで、内陸部は無視した。
このため内陸部では、遊牧部族が何千年も、昔と変わらない生活を維持してきた。
こうした歴史により、サウジ人には「保守性と孤立主義」「純粋性への誇り」「外国人嫌いの感覚」がある。
宗教面でも、原理主義的な要素が残っている。
つまり、伝統的な価値観の伝承である。
その典型例は、「ワッハーブ運動」や「イフワン軍団」に見る事ができる。
(2013年3月27日に作成)