(『しんぶん赤旗日曜版 2021年11月21日号』から抜粋)
「パナマ文書」から5年。新たに「パンドラ文書」が公表された。
パンドラ文書は、タックスヘイブンから流出した1190万件以上のファイルを、600人以上のジャーナリストが2年調査して公表したものである。
パンドラ文書で注目されるのは、国際的な活動をする法律事務所の役割である。
例えば6千人の法律家を抱える、「ベーカー・マッケンジー」という法律事務所がある。
パンドラ文書では、ベーカー・マッケンジーが世界中で脱税の手引きをし、富裕層や大企業の脱税を手助けしていることを暴いた。
ベーカー・マッケンジーは、各国の法律や規制に介入しようとし、金融規制を止めようとしてきた。
ベーカー・マッケンジーは、シャドー経済の設計者であり、主柱だと分かった。
もう1つの注目点は、タックスヘイブンの中心がアメリカになってきている事である。
近年は、脱税を防ぐ国際的な取り組みが進み、ケイマン諸島などのタックスヘイブンは縮小してきた。
そこで富裕層は、アメリカのサウスダコタ州など、規制のゆるい州に資産を移している。
サウスダコタ州、フロリダ州、デラウェア州、テキサス州、ネバダ州は、世界で最も規制のゆるいトラスト(信託)を提供している。
(2024年5月13日に作成)