最初に、言葉の解説をしておきます。
『タックスヘイブン』とは、「租税回避地」と訳されるもので、ほぼ税率がゼロの地域をいいます。
こいつは世界のあちこちにあり、富裕層や多国籍企業はここに会社を置いたり、お金を預けたりして、脱税をしています。
『オフショア』とは、「外国人に対しては、税金面で有利にしている国や地域」を指します。
「外国からの投資を促進するため」とか、「マネーを集めるため」と言って、外国からのお金には税金をかけなかったり、規制を緩くしたりしている地域をいいます。
近年では、あらゆる国が「経済特区」などと言って、これを作っています。
ほとんどの場合、税金を低くしているだけでなく、守秘性も高めて投資家や預金者の素性を隠すサービスも提供しています。
このため、ダーティー・マネーが集まってくるのです。
『マネーロンダリング』とは、「資金の洗浄」のことです。
不当な方法や、犯罪行為で得たマネーを、いろいろな方法を駆使することで、表の世界(一般社会)で使えるようにする行為を指します。
(2014年3月8日に作成)
(以下は『週刊文春2023年7月20日号』から抜粋)
警視庁は、住吉会の三次団体「大昇会」の幹部である、金井忍・容疑者(50歳)ら3人を逮捕した。
警視庁担当の記者が解説する。
「金井氏はネットカジノ『SEXY』から、みかじめ料5千万円と用心棒代600万円を受け取った疑いが持たれています。
大昇会は、違法薬物の売買でも有名です。
大昇会は、新宿の歌舞伎町を拠点にしている。
みかじめ料の検挙は、これまでは恐喝容疑だったが、今回はマネーロンダリング関連の犯罪に使われる『犯罪収益の収受容疑』が適用されました。
恐喝と違って、店側が納得すぐでみかじめ料を払っていても、罪に問えます。
マネーロンダリングについて、海外から日本の対応は手ぬるいと批判されていました。」
警視庁の昨年の統計では、マネーロンダリングの疑いがある金融取引の届け出は、58万件強と過去最多である。
だが、犯罪収益の収受が適用された件は、わずか18件だった。
これを厳しく批判してきたのが、国際組織の「FATF」(金融活動作業部会)だ。
金融関係者が解説する。
「何年か前までは、日本の一部の銀行はザルのようなゆるさで口座開設を認めていました。
それがFATFの批判を受けて、昨年(2022年)に犯罪収益移転防止法や組織犯罪処罰法が改正されました。」
(2024年6月19日に作成)