③ アメリカ圏

(『タックスヘイブンの闇』から抜粋)

アメリカ圏のタックスヘイブンの中心は、アメリカ合衆国である。

アメリカ政府は、ケネディ政権の1961年に、脱税を取り締まろうとした。

ケネディが議会に法律の制定を要請したのだ。

この時、アメリカの金融業者は群れをなしてロンドンなどのオフショア地に逃げた。

その後、1980年代に入ると、アメリカ自身が世界一のタックスヘイブンへと変貌した。

アメリカのタックスヘイブンは、3層の構成になっている。

① 連邦レベル  ② 州レベル  ③ 海外ネットワーク

連邦レベルでは、さまざまな免税措置や秘密保護規定がある。

例えばアメリカの銀行は、海外で行われた犯罪については、犯罪による利益でも受け入れる。

州レベルでは、さまざまなタックスヘイブンがある。

例えばフロリダ州は、たいていの銀行がイギリス系のタックスヘイブンとパートナーシップを組んでおり、マフィアや麻薬絡みのカネを預かってきた。

ワイオミング、デラウェア、ネバダなどの小さな州は、法人にはほとんど規制をかけず、強力な守秘性を提供することでテロ資金までも吸収してきた。

海外ネットワークでは、アメリカ領のヴァージン諸島やマーシャル諸島がある。

マーシャル諸島は、船舶登記の規制が緩々で、便宜置籍地として発展してきた。

アメリカの影響下にあるパナマも、大きなタックスヘイブンである。

パナマでは、1919年にスタンダード・オイル社が、脱税の手助けのために外国船舶の登記を始めた。

1927年には、オフショア金融も始めた。

アメリカのある税関職員は、「パナマは、世界で最も汚い資金洗浄の場だ」と言う。

アメリカのオフショア・ネットワークは、イギリスと深く繋がっている。

破たん前のエンロンには、881のオフショア子会社があったが、692社はケイマン諸島に、119社はタークス・カイコス諸島に、43社はモーリシャスに、8社はバミューダに置かれていた。

すべてイギリス圏のタックスヘイブンである。

同様に、シティ・グループは427社のオフショア子会社を持ち、ニューズ・コーポレーションは152社を持っている。

(2014.3.8.)


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