(『チョムスキー、世界を語る』から抜粋)
チョムスキー
私は、労働組合を信じています。
労働組合は、民主主義の発展において決定的な役割を演じましたし、貧者が団結して行動できる場所の1つです。
それだからこそ、支配者層とメディアが狙いをつけているのです。
アメリカでは、組合は攻撃を浴び続けています。
組合への加入者は、労働者全体の15%にまで減少しました。
しかし最近は、再出発の機運が見られます。
社会は進歩しましたが、社会的な階層構造は変わらずです。
だからこそ、階級闘争があるのです。
質問者
そうしますと、マルクス主義は今日でも有効な理論なのですか?
チョムスキー
最初にはっきりさせておきましょう。
私の目には、ある個人の名を冠したものは、それだけで疑わしく見えます。
マルクス主義とかフロイト理論と呼ばれるものは、宗教と化している可能性が高いです。
その人物を神格化しているからです。
実際のところ、マルクス主義は過去において、マルクスを神格化しました。
それは、一種の宗教でした。
マルクスの述べた事の多くは、非常に示唆に富んでいます。
有意義な部分は取り入れて、そうでない部分は棄てるべきです。
これは、誰の考えについても同じです。
(2014.5.25.)