(『チョムスキー、世界を語る』から抜粋)
質問者
今でも、自分をアナーキストだと考えていますか?
チョムスキー
アナーキズム(無政府主義)の中には、古典的リベラリズムの直接の遺産とも言うべき1つの流れがあります。
それは、資本主義から自由と民主主義を守ろうとするものです。
アナーキズムは、人々の役に立つような組織を提供しようと、様々な組織の形態を模索しています。
アナーキストには、根本的な考え方があります。
それは、『権力者はいかなる者であれ、批判的な検討をまぬがれない。権力は、自身の正当性を証明しなければならない。』というものです。
証明抜きの権力者の自己正当化は認めない。
権力の位置を正確に見極めて、「その権力の根拠を示せ」と申し渡す必要があるのです。
正当性を証明し得ない権力は、いずれも非合法なものであり、くつがえす権利がこちらにあるのです。
私の考えでは、これこそがアナーキズム思想のもたらした根本的な寄与です。
(2014.5.26.)