バンカー・バスター(地中貫通型の核爆弾)の開発

(『エリア51』アニー・ジェイコブセン著から抜粋)

1980年に米軍は、「バンカー・バスター(地中貫通型の爆弾)」の開発に取り組んだ。

これは、地中に向けて発射する核ミサイルで、地下施設に命中させて核爆発させるものだ。

1988年には、W61アース・ペネトレーターという爆弾の実験が、ネヴァダ州のネリス試験訓練場にあるエリア52で行われた。

この実験は、バンカー・バスターを1万2200mの上空から発射するものだ。

多くの実験を重ねた結果、核兵器は地下施設を造るのに最適な花崗岩にはほとんど、あるいは全く影響を与えない事が判明した。

1993年にクリントン大統領が核実験の中止を決めると、バンカー・バスターの開発も失速した。

しかし米軍は、「ロッズ・フロム・ゴッド(神の投げ下ろす棹)」という核爆弾なしのプロジェクトを立ち上げた。

このプロジェクトは、直径30cmの金属棒を人工衛星から発射して、秒速1万6100kmで地下施設に命中させるものだ。

米国科学者連盟の報告書を見ると、このプロジェクトは名前を変えて現在も存在すると考えられる。

湾岸戦争後に、DARPAは地下施設に関する報告書の作成のために、「ジェイソン・スカラー」という謎めいた科学者グループと「マイター・コーポレーション」を採用した。

そうして作られた1994年4月の報告書を見ると、湾岸戦争でイラクの地上施設が次々と米軍にやられるのを見て、地下施設が急増したという。

2001年1月に米政府が地下施設を標的とする核兵器を開発している事が発覚すると、米国科学者連盟は「議会の禁止令に違反している」と表明した。

これに対しロスアラモス国立研究所は、核実験を行わずに机上で開発できると反論した。

なお、ロスアラモス国立研究所の元所長であるスティーヴン・ヤンガーは、2006年7月1日にネヴァダ核実験場の作戦を統括する「ナショナル・セキュリティ・テクノロジー社」の社長に就任している。

ヤンガーは、ネヴァダ核実験場の地下で臨界前の核実験を行っている事を認め、「エリア1の地下トンネル複合施設で行っている」と語った。

2002年に息子ブッシュ政権は対テロ戦争を始めたが、バンカー・バスターの開発を復活させた。

02年4月に国防総省は、「RNEP(強化型の地中貫通の核兵器)」という新型の核兵器の設計にとりかかった。

そしてローレンス・リバモア国立研究所と協議し、03年から予算がおりた。

06年に予算から削除されたが、計画が中止されたのか、闇の予算に移されたのか。

(2021年8月15日に作成)


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