(『なぜアメリカはこんなに戦争をするのか』ダグラス・ラミス著から抜粋)
息子ブッシュ政権は、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、「先制攻撃を仕掛けるかもしれないぞ」と脅迫した。
それを受けて北朝鮮は、「核兵器を開発している」と発言した。
するとアメリカは態度を変え、「交渉による解決を求める」と発言した。
この事実は、「アメリカに侵略されそうな国は、核兵器を持ったほうがいい」とのメッセージになってしまっただろう。
韓国の太陽政策がかなり実りを見せ始めた頃に、ブッシュ大統領は突然に北朝鮮を「悪の枢軸リスト」に入れた。
そしてアメリカは、アフガニスタンに攻め込んだ後に、「次は北朝鮮だ」と発言した。
これらの事は、北朝鮮にとっては脅威だったはずである。
北朝鮮の選んだ対策は、核の抑止力だった。
実際にアメリカは、「交渉をする」と言って先制攻撃を控えた。
日本人の多くは、「北朝鮮の脅威に対しては、アメリカの軍事力で守ってもらわなくてはならない」と思っているが、本当は逆である。
日本の安全を保障するには、アメリカの暴走に歯止めをかけて、アメリカの北朝鮮への脅迫をやめさせる事である。
(2014年6月10日に作成)