(『なぜアメリカはこんなに戦争をするのか』ダグラス・ラミス著から抜粋)
アメリカの一般社会と比較すると、アメリカ軍人のドメスティック・バイオレンスや児童虐待は、統計的に多い。
それは驚くことではない。
暴力が軍隊の目的であり、軍人は暴力を振るう訓練を受ける。
その暴力の一部が、妻や子供にあたるのは当然である。
沖縄でも、女性や子供がしばしば暴力の被害者になっている。
暴力事件が起きると、アメリカ軍は「教育と綱紀粛正」をするのだが、解決にならない。
それは、不思議ではない。
軍の教育と綱紀粛正の基本的な目的は、人を殺せる人間にする事である。
軍事教育は、暴力を使える人間を育てるのが第1の目的なのだ。
女性蔑視や女性に対する暴力は、古代からの「軍隊の伝統」である。
人種差別も、軍隊文化の1つである。
「あいつは劣っている」と思えば、殺しやすくなるからだ。
私がアメリカ海兵隊にいた1950年代は、「次の戦争は中国とだろう」と思われていたので、差別の対象は中国人(アジア人)だった。
湾岸戦争の時には、アラブ人に替わったようである。
アメリカ軍の中では、同性愛の人が多い。
男性ばかりの組織なので、同性愛が起こるのは当然である。
同性愛であるとはっきりすると除隊処分になるので、それを利用して将校らが、部下の女性にセックスを強制する事がよくあるという。
「僕と寝ないかぎり、君は同性愛ではないと信じないよ」という論理である。
(2014.6.10.)