(『すばらしきアメリカ帝国』から抜粋)
息子ブッシュが打ち出したドクトリンに、「テロリストをかくまう者は、テロリストと同じ罪を負う」というのがある。
では、どういった国がテロリストをかくまっているのか。
かつてアメリカは、キューバのカストロ政権を倒すために、「反カストロのキューバ人」を支援した。
反カストロのキューバ人たちはテロを行い、1990年代の後半まで続いた。
FBIと司法省は、彼らをテロリストと定めている。
彼らの1人であるオーランド・ボッシュは、73人が亡くなったクバーナ航空機爆破に関与している。
ところが父ブッシュは、大統領の時にオーランド・ボッシュに恩赦を与え、ボッシュはマイアミで優雅に暮らしている。
現在(2004年2月)に、マイアミで『キューバの5人』という事件が裁判されている。
1998年にキューバは、フロリダに拠点を置く反キューバのテロ組織に関するビデオテープや書類を、FBIに渡した。
それに対してFBIは、フロリダで情報を集めたキューバ側の諜報員を逮捕する事で応じた。
これが、『キューバの5人事件』である。
テロリストの情報を提供したのに、FBIはその提供者を逮捕したのだ。
この事実は、アメリカがテロリストをかくまっている好例である。
また、ベネズエラで2002年に起きたチャベス政権を倒すための軍事クーデターに関与した2人も、アメリカはかくまっている。
アメリカ政府は、このクーデターを大っぴらに支持し、唆してさえいた。
ハイチで4~5千人の殺人に関わったエマニュエル・コンスタンも、ニューヨークで幸せに暮らしている。
息子ブッシュ大統領のドクトリンとは、『テロリストをかくまう権利を、アメリカだけに授けるもの』なのである。
(2014.7.7.)