(『世界の紛争 イスラム・アメリカ対立の構図』から抜粋)
金融の中心地であるウォール街。
そこで非常に大きな影響力を持っているのは、ユダヤ系の人々である。
ジョージ・ソロスはその代表だ。
アメリカ政界では、クリントン政権では史上初めて、4人ものユダヤ教徒が閣僚に名を連ねた。
アメリカでは、ユダヤ系は600万人と少ないが、枢要な地位に入っている。
特にニューヨークでは、ユダヤ系の人々の影響力が強い。
600万人のうち、95%は都市に居住している。
そのうち172万人がニューヨーク、50万人がロサンゼルスに住んでいる。
ニューヨーク・タイムズは、ユダヤ教徒が所有しており、読者の3分の1はユダヤ教徒であるとの調査もある。
2000年の大統領選挙では、アル・ゴア候補は初めて副大統領候補にユダヤ教徒(ジョセフ・リーバーマン上院議員)を選んだ。
イスラエル建国を支援したハリー・トルーマン大統領は、1948年11月の大統領選で予想を覆して当選した。
この時に選挙資金を集めたのが、ユダヤ教徒の銀行家フェインバーグで、その財力が当選に大きく貢献した。
アメリカにはイスラム教徒は600万人いるが、政治献金額はユダヤ人の250分の1に過ぎない。
その結果、連邦議会には未だにイスラム教徒は1人も選ばれていない。
実は、父ブッシュ大統領は、「史上最もイスラエルに冷たい大統領」と呼ばれた事がある。
1990年に、エルサレムでパレスチナ人の群衆とイスラエル警察隊が衝突して、パレスチナ人22人が死亡する事件があった。
この時、父ブッシュ政権は国連安保理で「イスラエル非難の決議」を起草して、採択させた。
これによって、ユダヤ票は民主党に流れ込み、父ブッシュが92年の大統領選で敗れる一因となった。
(ブッシュ家は、サウジアラビアなどの石油大国のイスラム教の国とも仲が良い。
そのため、この決議を行ったのでしょう。)
(2015年1月26日に作成)