(以下は『世界の紛争 イスラム・アメリカ対立の構図』から抜粋)
(※以下は2002年刊行の本からの抜粋である。)
金融の中心地であるウォール街。
そこで非常に大きな影響力を持っているのは、ユダヤ系の人々である。
ジョージ・ソロスはその代表だ。
アメリカ政界では、クリントン政権で史上初めて、4人ものユダヤ教徒が閣僚に名を連ねた。
アメリカでは、ユダヤ系は600万人と少ないが、枢要な地位に入っている。
特にニューヨークでは、ユダヤ系の人々の影響力が強い。
600万人のうち、95%は都市に居住している。
そのうち172万人がニューヨーク、50万人がロサンゼルスに住んでいる。
ニューヨーク・タイムズは、ユダヤ教徒が所有しており、読者の3分の1はユダヤ教徒であるとの調査もある。
2000年の大統領選挙では、アル・ゴア候補は初めて副大統領候補にユダヤ教徒(ジョセフ・リーバーマン上院議員)を選んだ。
イスラエル建国を支援したハリー・トルーマン大統領は、1948年11月の大統領選挙で予想を覆して当選した。
この時に選挙資金を集めたのが、ユダヤ教徒の銀行家フェインバーグで、その財力が当選に大きく貢献した。
アメリカにはイスラム教徒は600万人いるが、政治献金額はユダヤ教徒の250分の1に過ぎない。
その結果、連邦議会には未だにイスラム教徒は1人も選ばれていない。
実は、父ブッシュ大統領は、「史上最もイスラエルに冷たい大統領」と呼ばれた事がある。
1990年に、エルサレムでパレスチナ人の群衆とイスラエル警察隊が衝突して、パレスチナ人22人が死亡する事件があった。
この時、父ブッシュ政権(共和党政権)は国連安保理で「イスラエル非難の決議」を起草して、採択させた。
これによりユダヤ票は民主党に流れ込み、父ブッシュが92年の大統領選で敗れる一因となった。
(ブッシュ家は、サウジアラビアなどの石油大国のイスラム教の国とも仲が良い。
そのため、この決議を行ったのだろう。)
(以上は2015年1月26日に作成)
(以下は『週刊文春 2023年11月23日号』から抜粋)
アメリカ人には、イスラエルを熱烈に支持する人々がいる。
それが「キリスト教・福音派」だ。
この派は、聖書に書かれていることは全て真実だと信じている。
旧約聖書には、ユダヤ教徒が神からカナンの地を与えると約束されたと書いてある。
カナンの地は現在のパレスチナで、イスラエルの建国は神の意思と福音派は解釈している。
福音派はアメリカ国民の4分の1を占めるので、アメリカ政府がイスラエルを支持する行動をとることが多いのだ。
(以上は2025年7月17日に作成)