(以下は『東京新聞 2017年4月15日』から抜粋)
アフガニスタンに駐留する米軍が4月13日に、大規模爆風爆弾(MOAB)を初めて実戦で使った。
「イスラム国」(IS)の地下施設に対して。
トラ ンプ米大統領が、目的のためには手段を選ばない姿勢を見せた。
トランプ大統領は13日、ホワイトハウスで報道陣に「任務は成功した。この8週間で起きたことと過去8年間に起きたことを比べれば、とてつもない違いが分かるだろう」と述べた。
彼は7日未明の巡航ミサイルによるシリア空軍基地攻撃などを自画自賛し、軍事力行使に慎重で「弱腰」との批判もあったオバマ前大統領との違いを誇示した。
今回初使用されたMOABは、原子爆弾のようなきのこ雲が立ち上がる破壊力から「全ての爆弾の母」と呼ばれる。
米政府は、2003年のイラク戦争に合わせて米軍に配備した。(※当時は息子ブッシュ政権)
だが当時の息子ブッシュ大統領や、次のオバマ大統領は使用に踏み切らなかった。
トランプは記者団に、「私が米軍に使用権限を与えた」と語った。
この新兵器は、地下施設を攻撃するのに適していると、アフガン駐留米軍トップのニコルソン司令官は述べた。
ロシア下院外交委員会のスルツキー委員長は14日、米軍のMOAB使用について、「米国は一極支配の世界構築を諦めておらず、過剰な武力の使用をいとわないことを示した」と批判した。
さらに「米国の脅しの手法は、オバマ前政権の路線と変わらない」と述べた。
(2025年11月29日に作成)