(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)
北朝鮮は、ソ連との間に『ソ朝の友好協力のための相互援助の条約』を、1961年に結んだ。
この条約は、「どちらかの国が他国から攻撃された時には、直ちに軍事的な援助をする」と規定していた。
この同盟に基づき、ソ連は北朝鮮に食糧や石油を無償で援助していた。
ソ連が崩壊すると、1996年にこの条約は破棄されました。
ソ連は、1990年9月に、韓国との国交正常化に踏み切った。
ソ連のシュワルナゼ外相は、北朝鮮に対して「韓国との国交正常化はしない」と約束していた。
約束違反に怒った北朝鮮は、同外相に対して「新兵器の開発をする」と告げて、核兵器の開発を決めた。
ロシアと北朝鮮は、『朝ロの友好善隣のための協力条約』を、2000年に結んだ。
これは、軍事同盟ではない。
だからロシアは、食糧や石油の無償援助はもうしていない。
ロシアは、エリツィン時代と第1次プーチン時代には、北朝鮮に全く関心を寄せなかった。
ロシアの北朝鮮における利益は、「韓国から北朝鮮を通ってロシアのシベリア鉄道に繋がる、鉄道輸送網の建設」である。
この事業を、「韓国や日本にも資金を出させて実現させたい」とロシアは考えている。
(2013.8.22.)