中国との関係史

(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)

中国と北朝鮮は、1961年に『中朝の友好協力のための相互援助の条約』を結んだ。

この条約は、現在まで続けられている。

この条約の第2条は、「どちらかの国が武力攻撃を受けた場合は、直ちに軍事援助をする」と定めている。

しかし近年の中国は、北朝鮮の紛争に巻き込まれるのを恐れており、江沢民の時代に金正日に対して、「アメリカが軍事攻撃を北朝鮮にしても、中国は介入できない」と伝えたという。

中国は、「北朝鮮が先に攻めた場合は、支援しない」と、北朝鮮に通告している。

中国が北朝鮮を見捨てないのは、北朝鮮が無くなって韓国に統一されると、在韓米軍の基地が中国国境に移動する可能性が高いからである。

これは、中国にとって大きな脅威なのだ。

だから、在韓米軍が撤退しない限り、中国は南北の統一に同意しない。

また中国は、「アメリカを衰退させるには、北朝鮮の核開発でアメリカを困らせればいい」と判断している。

そのために、北朝鮮の核問題はなかなか解決しないのである。

○村本尚立のコメント

米軍は、韓国からも、日本からも、撤退した方がいいです。

米軍がアジアの治安を悪化させている事に、そろそろ皆が気付いた方がいい。

最近の中国を見ると、北朝鮮の核開発を容認しているとは思えないし、「アメリカを衰退させるには、北朝鮮の核開発でアメリカを困らせればいい」と思っているようにも見えません。

しかし、もし隠れた意図としてそれがあるならば、完全な判断ミスです。

私が思うに、北朝鮮の核開発により、アメリカ・中国・日本・韓国など、世界中の国々が消耗していると思います。
もちろん、北朝鮮も消耗しています。

核開発という愚かな行為は、一部の軍事産業の他には、誰の利益にもなりません。

(2013.8.30.)


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