なぜ核兵器の開発を始めたのか
ソ連と韓国が1990年に国交正常化をしたから

(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)

北朝鮮が核兵器の開発の意思を公言したのは、1990年9月である。

この月に、旧ソ連のシェワルナゼ外相は訪朝して、「9月末に韓国と国交正常化をする」と伝えた。

金日成はシェワルナゼとの会談を拒否して、金永南・外相が「国交正常化をするなら、新たな兵器を開発する」と通告した。

ソ連のシュワルナゼ外相は、北朝鮮に対して「韓国との国交正常化はしない」と約束していた。

約束違反に怒った北朝鮮は、同外相に対して「新兵器の開発をする」と告げて、核兵器の開発を決めたのである。

(ソ連と北朝鮮は長い間、軍事同盟を結んでいた。
 しかし、この後にソ連の崩壊が起きて、北朝鮮は庇護者を失う。)

北朝鮮は、社会主義の崩壊に恐怖を抱き、通常兵器では韓国軍に太刀打ちできないと考えて、核兵器の開発に踏み切った。

北朝鮮は、1960年代からソ連に留学生を送り、原子力の研究をさせていた。

1979年には独自の原子炉を持とうとし、それを憂慮したソ連は「NPTへの加入」を条件に原子炉を供与する事にした。

ソ連の協力で、86年に実験用の5MWの小型原子炉が完成した。

北朝鮮は、この原子炉のとなりに再処理施設を建設し、89年頃に偵察衛星でそれを探査したアメリカは核兵器開発を確信した。

(2013.12.8.)


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