(『サウジアラビアを知るための65章』から抜粋)
サウジアラビアには、正確な失業率を測定する機関がない。
失業率は、25~30%と見積もられている。
サウジのGDPは拡大し続けているが、雇用に結びついていない。
2005年の石油収入は、5000億リヤルであった。
これは、国家収入の89%、GDPの45%を占める。
しかし、石油産業の労働人口は10万人で、労働総人口の1.8%である。
石油産業は、雇用を生まないのである。
労働者の内訳を見ると、最大の事務職が111万人(19%)、卸売り・小売りが90万人(16%)、教育が71万人(12%)、家政婦などが55万人(10%)である。
データが示すように、製造業は発展していない。
サウジでは女性1人の出生率が4.1人と高く、人口は若年層に集中している。
20歳以下が60%を占めている。
政府は若年層の雇用を確保するために、労働力を外国人から自国人へと置きかえていく「サウダイゼーション政策」を進めている。
しかし雇用者は、賃金の高いサウジ人を雇いたがらない。
同一の職業で、サウジ人と外国人の賃金格差は、2~3倍となっている。
さらに、サウジの若者はきつい仕事を引き受けたがらない。
○村本のコメント
これだけ高い失業率だと普通は国家として破綻しますが、石油収入をばらまく事で強引に解決しているのでしょう。
国籍や民族によって賃金に格差をつける事は、あらゆる国で行われていますね。
豊かな国とか貧しい国とかは関係なく、どんな国でも行われています。
これを見ると、地球人の意識はまだまだ低いと言わざるを得ません。
『私たちはすべて一体である』、この真理が理解されるように、私は頑張ります。