(『大衝突』池上彰著から抜粋)
サウジアラビアは、サウード家が支配している。
(サウディ・アラビアという国名は、「サウード家のアラビア」の意である)
サウード家の王族は2万人以上もいて、国家の主要なポストは王族が独占している。
王族の支配に対する国民の不満は、高まっている。
サウジは、イスラム教を国教とする、専制君主制の国である。
イスラム教スンニ派の中でも、厳格な教義を特徴としている「ワッハーブ派」を採用している。
サウード王家は親米路線を取っており、イスラエル以外では中東で最大の親米国である。
サウジ国民の中には、米国を「イスラムの敵」と考える人も多く、現在の政権が親米であることを「イスラムの裏切り者」と考えている人もいる。
9.11事件の犯人19人のうち、15人までもがサウジ人であった。
実行を命じたオサマ・ビン・ラディンも、サウジ人である。
サウジでは女性の権利が限定されているなどの問題があるが、米国は民主化の要求をしない。
それは、サウジの石油が欲しいからである。
米国は、サウジが反米国家となって、石油の売却を拒否する事態になるのを恐れている。