外国人労働者が大量に居住し、生産を担っている

(『サウジアラビアを知るための65章』から抜粋)

サウジアラビアには、いわゆる移民は存在しない。

しかし、毎年200万人以上のイスラム聖地巡礼者を受け入れ、350万人の外国人労働者が(家族を含めると610万人という)が居住している。

サウジの家庭には、アジア人の家政婦が居るのが一般的である。

サウジで働く外国人たちは、賃金を得ることに徹しており、サウジ国民になろうとする動きはほとんどない。

外国人労働者は、それぞれのコミュニティを形成している。
インド人は150万人と最多で、都市の広範囲にわたって居住している。

サウジの経済は石油の富が基本のため、国民は生産力を持たず納税もしない。
国家は石油収入を分配する組織となっている。

こうした構造では、生産を担う外国人労働者が必要となる。

外国人労働者をめぐっては、家政婦への性的・肉体的な暴行が問題になっている。
現地紙では毎日のように報道されている。

また、外国人労働者にはすでに第二世代が登場しており、進学や就職で大きな問題を抱えている。

サウジ国籍を取得するには、高学歴が条件となっており、外国人労働者には事実上適用されない。

特にパレスチナ難民の場合は国籍が無いため、不利益を被っている。


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