(毎日新聞2013.4.4.から抜粋)
通常兵器の国際取引を規制する『武器貿易規制条約(ATT)』が、2日に採択された。
これにより、通常兵器の国際取引に、初めて規制の網がかかる。
3月28日までの交渉会議では採択できなかったが、国連総会で193カ国のうち154カ国の賛成で採択された。
日本は長年、各国に働きかけてきた経緯があり、英国やオーストラリアなどと条約交渉を提起してきた。
世界最大の武器輸出国であるアメリカは、NRA(全米ライフル協会)が条約の批准を阻止しようとすると見られている。
アメリカが批准できないと、ロシアや中国の批准も難しくなる。
通常兵器の年間貿易額は、700億ドルという。
輸出額は、アメリカが30%、ロシアが26%、中国が5%を占める。
採択では、最大の輸入国インドなどの23カ国が棄権をし、13カ国が欠席をした。
北朝鮮、イラン、シリアの3カ国は、反対票を投じた。
条約に期待されるのは、「闇市場への流出防止」や「紛争の予防効果」である。
(毎日新聞2013.4.6.から抜粋)
核兵器や化学兵器と違い、通常兵器の取引は一部を除けば、法的拘束力のある国際的な取り決めがなかった。
いわば、無法状態だった。
今回の条約の対象には、戦車や戦闘機などに加えて、自動小銃などの小型武器も含まれる。
虐殺や戦争犯罪の恐れがあれば、輸出入だけでなく、通過や積み替えなどのあらゆる移転も禁止される。
闇市場への流出防止対策や、輸出入実績の年1回の報告も義務づけられる事になる。
弾薬や部品の規制は、米国などの反対で対象から除外された。
通常兵器の国際取引は、1991年に任意の登録制度が導入され、2001年に行動計画が採択されていた。
06年に、日本や英国が共同提案した国連総会決議が採択され、条約策定への動きが始まった。
今年の3月の条約案は、北朝鮮・イラン・シリアの反対で採択に失敗していた。
条約は、50カ国が批准すれば発効する。
しかし、米国・ロシア・中国が参加しなければ、実効性は乏しい。
オバマ政権は賛成しているが、米議会に反対勢力がいる。
米国が批准しなければ、ロシアと中国も参加を見送る可能性がある。
○村本のコメント
今まで無かった規制が、ついに出来ました。
画期的な事です。
アメリカの態度が、世界の武器の流通(世界の紛争状況)に大きな影響を及ぼしている事が理解できます。
アメリカが平和で穏やかな国になるように皆がプレッシャーをかけていくことが、ダイレクトに世界平和に繋がると、理解できます。
オバマ政権は最近、何に注力していいのかが分からなくなっている気がします。
私は、「この条約の批准や、国内の銃規制に注力をしなさい。そうすれば、世界全体の幸福に寄与できます。」とアドバイスいたします。
日本がこの条約に積極的に関わってきた事は、すばらしいことですねー(^-^)