(『そうだったのか!現代史2』池上彰著から抜粋)
地下での核実験を含む「すべての核実験の禁止」が決められたのは、1996年の事だった。
国連の総会で、『全面的な核実験の禁止条約(CTBT)』が採択されたのである。
しかし、条約の発効には条件があった。
「原子炉技術を持っている44ヵ国が、条約を批准すること」が条件だった。
44ヵ国の中には、イスラエルとインドがいたが、両国は核兵器を持っており、条約を批准しなかった。
さらにアメリカも、条約を批准しなかった。
ブッシュ・ジュニア大統領は、「条約の批准を議会に求めない」と発表し、条約を葬ろうとする動きすら示した。
また、アメリカとロシアは、『核爆発を伴わない実験(臨界前実験)』を繰り返し行っている。
この実験は核爆発はないので、「これは条約に違反しない」と両国は主張している。
(2014.3.7.)