(以下は『新婦人しんぶん 2014年7月3日号』から抜粋)
今、核兵器廃絶の新たな勢いが生まれている。
国連では、核兵器禁止条約を求める決議が3分の2を超え、9月26日を『国際核兵器廃絶デー』とする事が決まった。
「核兵器の人道上の影響に関する国際会議」も、定期的に開催されている。
第3回のNPT準備委員会では、核兵器の廃絶の約束を果たさない核保有国への批判が相次いだ。
この会議で、日本原水協の代表団は核兵器廃絶を求める署名目録を、アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表に提出した。
ケイン氏は、「署名を持って大挙して来て、NPT再検討会議に影響を与えてほしい」と期待を述べた。
NPT再検討会議は、2015年に開かれる。
署名を集めて、代表団を送ろう。
○村本尚立のコメント
国連に軍縮担当の代表がいるというのは、初めて知りました。
こういう人物・機関を、日本のメディアはもっと取り上げてほしいです。
(以下は『新婦人しんぶん 2014年8月28日号』から抜粋)
『原水爆禁止2014年世界大会』が、8月2~9日に、広島・長崎で開かれた。
世界中から約1万人が参加し、広島・長崎の被爆から70年の来年に行われる「NPT再検討会議」に向けて、決意あふれる大会になった。
(※NPTとは、核兵器の拡散防止条約のこと。
以下のコメントは、大会に参加した方のもの。)
アンゲラ・ケイン(国連の軍縮問題担当の上級代表)
「日本で始まった核兵器廃絶の署名が、数百万筆を集めている事は、大きな励ましです。
核軍縮は、世界平和に特別の貢献をします。
だから、核廃絶を遅らせる事があってはなりません。」
核廃絶を求める署名は、410万4911人まで集まっている。
ロシアのミーリャ・カビロワさん
「マヤーク核施設では、深刻な放射能事故が3回起きて、50万人が被曝しました。」
アレクサンダー・クメント(オーストリア外務省の軍縮・軍備管理・不拡散局長)
「核兵器の保有国とその同盟国は、相変わらず安全保障政策は核抑止力論を主軸にしています。
しかし、脅しに基づいたやり方は、もはや時代錯誤です。
一部の人だけの安全保障のために、他の人の安全保障を犠牲にしてはいけません。
核兵器の抑止力は、近視眼的なアプローチであり、危険なギャンブルです。
オーストリア政府は、核兵器の廃絶を強く決意しています。
国際社会が核兵器の危険さを理解すればするほど、核兵器廃絶の正当性は明白になり、緊急性もより強くなります。」
安倍政権が、2014年7月1日に集団的自衛権の行使容認を閣議決定したため、被爆地からは怒りの声が上がっている。
8月9日に長崎の平和式典で『平和の誓い』を読んだ、被爆者代表の城だい美弥子は、「日本国憲法を踏みにじる行為」と厳しく批判した。
田上富久・長崎市長も、「戦争をしないという誓いは、被爆国・日本の原点で、被爆地・長崎の原点」と政府に迫った。
広島・長崎の平和式典での安倍首相のスピーチが、昨年のものをコピー&ペーストしたものと判明し、これも批判された。
(2014年7~8月に作成)