(『毎日新聞2013.4.8.』『そうだったのか!現代史2』から抜粋)
現在、世界には2万発の核兵器がある。
『核兵器の拡散防止条約(NPT)』は、米国・ロシア・英国・仏国・中国の5カ国だけを「核兵器保有国」と認め、それ以外の国への拡散を防ぐ目的で、1970年に発効した。
つまり、核兵器を5ヵ国で独占する条約である。
現在は、190カ国が締結している。
NPTは不平等条約だが、その代わりに核兵器保有国は核軍縮を義務づけられている。
NPTでは、原子力を平和目的(発電)で利用する権利は、加盟国に認めた。
5ヵ国以外が原発を持った場合は、IAEAの査察を受け入れなければならないと定めている。
NPTは差別的な条約だが、多くの国が加盟した。
日本も参加しており、(原発があるので)定期的にIAEAの査察を受けている。
核軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)は、NPT体制を強化する目的で、2010年9月に日本とオーストラリアが主導して発足した。
年2回の外相会合を実施している。
2013年4月9日の会合では、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効や、非戦略核弾頭の削減などの文書をまとめる。
一方で日本は、2012年10月に「核兵器の非合法化」への努力を求める声明に、署名しなかった。
(この声明には、34カ国が署名した。)
日本政府は、「米国の核抑止力に依存しているのに、核兵器を違法とは言えない」と説明した。
だが、努力を求める声明にすら賛同できないというのは、あまりに腰が引けた態度である。
○村本のコメント
NPTは差別条約なので、「ずるいじゃないか、俺たちにだって核武装する権利はあるはずだ」と言い出す人や国があるのも、無理はありません。
問題は、5ヵ国がいつまでも核軍縮を実行しない事にありますね。
NPTで核軍縮が義務づけられているという事は、初めて知りました。
もっと各国が連携して、保有国に削減圧力をかけた方がいいです。
核実験の全面禁止条約も、ぜひとも実現させたいです。
地球のために、必要だと思います。