(毎日新聞2013年6月5日から抜粋)
イラクが先月に、『クラスター爆弾の禁止条約(オスロ条約)』を批准した。
これで批准国は、同条約の成立から5年で83カ国になった。
クラスター爆弾とは、「数千個の子爆弾を内臓する、特殊な爆弾」である。
不発弾が多く、不発弾を拾った子供が被害に遭ったりする。
『クラスター爆弾の禁止条約』は、有志国が締結を目指して、2008年に107カ国の賛成で採択された。
同条約では、使用・開発・貯蔵・輸出を禁止した。
さらに、批准から8年以内の廃棄、10年以内の不発弾の除去を定めている。
残念ながら、大量保有国のアメリカ・ロシア・イスラエルは、批准をしていない。
イラク戦争(2003年)では、米英の軍隊によって、200万発のクラスター爆弾が投下されて、今も大量の不発弾が残っている。
イラクでは、いまだに不発弾地域の全容は明らかになっていない。
米英軍は、2200ヵ所にクラスター爆弾を投下した。
ラオスでは、ベトナム戦争中の1964~73年に、米軍がクラスター爆弾を2億8000万発も投下した。
ラオスが今年に出した報告によると、現在も7500万発の不発弾が残っており、広島県ほどの8470平方kmが不発弾地帯である。
累計で5万人が、不発弾で死傷している。
アメリカは、ラオスの不発弾の除去に、900万ドルを支払っている。
しかしラオス政府によると、除去や被害者の支援には5000万ドルが必要だという。
昨年に除去できたのは、56平方kmで8万発だった。
これは、全体の0.6%に過ぎない。