(ウィキペディアから2012年10月18日にノートに抜粋したもの)
大麻は、アサ(麻)の花冠・葉から作られる。
含有されるカンナビノイド(特にTHC)には、様々な薬理作用がある。
大麻には多幸感をもたらす、食欲を増進するなどの作用がある。
大麻は、成分のバランスによって効果に違いが生じるため、インド麻は2000年以上前から中央アジアで品種改良されてきた。
一般的に、大麻と言えば「インド麻」を指す。
なお産業用の麻は、陶酔成分が生成できないように改良した品種を用いている。
産業用と嗜好用では栽培方式が異なり、前者は露地、後者は室内栽培が多い。
嗜好用を産業用と偽わって栽培するのは、困難である。
古来より日本で栽培されてきた大麻は、THCの含有量が少なく、大麻を吸引する文化は日本には無かった。
ただし麻畑では、「麻酔い」と呼ばれる精神作用がある事が知られていた。
マリファナは、スペイン語で「安い煙草」の意味である。
メキシコでこの呼称が一般的になり、米国へ伝わって世界中に定着した。
大麻吸引の歴史は古く、後漢の頃の中国最古の薬学書には、薬草として記されている。
ヘロドトスの書いた歴史書にも、スキタイ人やトラキア人が吸っていたと書いてある。
アラビアと中東では、900~1100年にかけて喫煙習慣が広まった。
ヨーロッパでは、1798年のナポレオンのエジプト遠征で、エジプトから伝えられて普及した。
ただし、その後にほとんどの国で禁止された。
日本では1886年~1951年まで日本薬局方に記載され、痛み止めや食用として使用された。
嗜好用は米軍の占領時から広まったと言われている。
米国では、1937年に連邦法で禁止となった。
だが1960年代にヒッピー・ムーブメントでマリファナが大衆化され、ベトナム戦争で米兵にも普及した。
宗教面では、「ヴェーダ」、「アヴェスター」、「タルムード」といった書物に大麻の使用が書かれている。
現在の大麻は、改良や栽培技術の向上によって、効力が増しているという意見がある。
○大麻の種類
①乾燥大麻(マリファナ)
世界で押収される大麻のうち79%がこれである。
②大麻樹脂(ハシシュ)
消費地は主に西ヨーロッパで、モロッコが最大の生産国。
③液体大麻(ハッシュオイル)
THCを抽出するため、THC含有率が高い。
大麻の摂取方法は、次の3つある。
①パイプで摂取
②ジョイントで摂取(巻き紙で巻く)
③水パイプ。煙を水に通すことで、喉の当たりが良くなる。
効率良くTHCを摂取できる。複数人で一つの所から摂取する場合、親近感を深める意味合いがある。
〇踏み石論
日本で大麻を取り締まる大きな理由に、大麻を使うと他のドラッグも使用するようになり、「他の薬物への入口になる」という『踏み石論』がある。
しかし近年では、「ニコチンやアルコールの方が、はるかに広い入口である」という報告が出ている。
実際に、コーヒーショップでの大麻の販売を認めたオランダでは、ヘロイン使用者は減少傾向にある。
大麻を主なドラッグとしたグループは、他のドラッグを使う事が極端に少ないという報告もある。
1997年のWHOの報告書でも、大麻使用者の大半は他のドラッグの使用へ進まないとしている。
(2024年9月29日に作成)