燃料電池の基本

(『クリーン発電がよくわかる本』から)

燃料電池とは、水素と酸素を化学反応させて、電気を作る装置の事です。
電池というよりも、「発電装置」と考えた方が的確です。

発電方式は、「水の電気分解」の原理を応用したもの。
水は電気分解をすると、水素と酸素に分解されますが、燃料電池はこれを逆にしたものです。

水素と酸素を化合させると、電気が生じます。

水素は一般的には、天然ガスやメタノールから取り出します。
酸素は大気中から取り出します。

燃料電池は、電気と共に熱も利用できるので、発電効率が80%と極めて高いです。
エネルギー効率が良いので、CO2の発生は少なく抑えられます。

燃料電池は、170年ほど前に発明され、50年前に実用化しました。
宇宙船では、長年使用されています。

家庭用の普及のためには、コンパクト化が求められます。

性能の良い燃料電池が普及すれば、(必要な電力をすべて発電できるので)送電線や発電所がいらなくなり(電力会社がいらなくなり)、CO2の排出量も大幅に減ります。

燃料電池システムは、従来の電気システムに比べて、CO2排出量を40%、エネルギー消費を26%も減らせます。

また、「使う量に合わせて各自で発電できる」ため、無駄な発電を抑えることにもつながります。

燃料電池の課題は、イオン交換膜の耐久時間です。
2005年現在、耐久時間は2~3年程度で、これを5年以上に延ばす必要があります。

(2012年9月20&30日に作成)


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