(『クリーン発電がよくわかる本』から)
『コージェネレーション』とは、一次エネルギー(天然ガスなど)から電気と熱を同時に作って、エネルギーを有効に利用する事です。
コージェネレーション・システムとは、家庭に設置した燃料電池を使って、『電気とお湯を同時に手に入れるシステム』です。
この方法により、エネルギーの80%を利用できます。
発電時の熱を使ってお湯を沸かすことにより、お湯を作るために電気を消費する必要がなくなります。
エネルギーを無駄なく使う新システムなのです。
火力発電の場合、発電時のロスで55%ほどのエネルギーが失われます。
さらに、送電時に5%強の電力が失われます。
そのため、家庭まで届くのは35~40%の電気となってしまいます。
コージェネレーション・システムを採用すれば、発電時のロスを少なくする事ができ、省エネを実現できるのです。
(『電力供給が一番わかる』から)
アメリカのBloom Energy社の燃料電池は、1台で100kWの発電容量を持ち、家庭100世帯分を賄えます。
1台は70~80万ドルです。自動車1台のスペースで設置できます。
コージェネレーションは、「熱と電気の併立供給」をするシステムで、発電と共に排熱も活用するシステムです。
従来の発電所では、発電時に出る排熱(発電エネルギーの30%)を海に捨てていました。
コージェネレーション・システムは、日本ではたくさんの施設で導入され、民生分野と産業分野の合計は、9378MWです。
これは、原発9基分に相当します。
○村本尚立の解説
天然ガス(都市ガス)は、各家庭に繋がっています。
そのガスを水素に変えて、燃料電池を使用して発電すれば、もう電力会社から電気を買う必要がない、という事なんです。
エネルギー効率がいいので、CO2も減らせます。
考えてみたら、遠くの発電所で発電した電気を使うよりも、自分で必要に応じて発電した方がいいですよね。
もうその時代に入っているのです。
Bloom Energy社の燃料電池は、1世帯で換算すると70万円と、相当にお買い得です。
私達は各世帯ごとにやりくりをするのに慣れていますが、数十世帯で1単位になれば、安く発電できるのかもしれません。
別の星の社会では、1地域(日本でいう市町村くらいの広さ)が一つの単位になっており、そこですべてが賄えるようになっているそうです。
電気や食料は地域ごとに自己完結しており、地球でいう「地産地消」が完全に実現しているとの事です。
冷静に考えると、電力の地産地消って革命的なことですねー。
(2012年9月20日に作成)