(『電力供給が一番わかる』から)
電気エネルギーは、発生すると光の速度で伝播します。
そして電気エネルギーは、そのままでは貯めておく事は出来ません。
(蓄電池は、電気エネルギーを化学エネルギーに変換する事で、成り立っています)
このため、電力確保のためには常時を発電して、消費量よりも発電量を多くしておく必要があります。
電気消費量に対して発電量が多いと、電気の周波数は上昇します。
その逆に、発電量が少ないと周波数は下降します。
周波数は、東日本は50Hz、西日本は60Hzに決まっています。
+-0.2Hzぐらいの変動は許容できますが、それ以上の周波数の変動があると、消費者の側で影響が出ます。
例えば、電気モーターは周波数によって回転数が決まります。
回転精度が要求される作業の場合、周波数の変動が大きいと回転ムラが出て、問題となります。
このため電力会社は、周波数を絶えずコントロールしています。
すなわち、消費と発電が合致するようにしているのです。
日本は東西で周波数が異なるため、東西間での電力の融通がしづらいです。
(これは世界でも稀なことです)
東西間で融通する場合は、周波数の変換装置を使う必要がありますが、変換所の総容量は100万kWと、とても少ないのです。
電力事業が始まったのは明治時代で、東京はドイツの発電機を導入したため、50Hzが定着しました。
一方、関西はアメリカの発電機を導入したため、60Hzが定着しました。
今でも、欧州は50Hz、アメリカは60Hzです。
○村本のコメント
周波数の変換装置は、いざという時のためにもっと容量を確保しておいた方がいいです。
「核燃料サイクルや核融合の研究にお金を使う」なんていう無駄をせず、こういう所にお金を使いましょう。
(2012年9月30日に作成)