電力会社による送電網独占の弊害について

(以下は『毎日新聞 2013年4月12日』から抜粋)

発送電の分離は、2013年4月2日に「2018年~20年をめどに行う」と閣議決定された。

Jパワーの海底ケーブルが、北海道と本州を繋いでいる。
ここが『再生可能エネルギー拡大のボトルネック(弱点)』となっている。

北海道には、太陽光と風力の発電資源が2850万kWあるとされる。
これは毎冬の北電のピーク電力である500万kWを補って余りある。

しかし余った電力を本州に運ぼうとしても、海底ケーブルの容量は60万kWしかない。

Jパワーは90万kWへの増強を検討しているが、それでも足りない。

経産省は、「事業者が整備すべきだ」として動きが鈍い。

送電網は、電力大手10社が地域ごとに独占している。

『固定価格買い取り制度』により、再生エネ事業者からの申し出があれば、送電網に接続することが義務付けられた。

ところが実際には、電力会社が接続を断る例が相次いでいる。

接続拒否の主な理由は、『送電網の容量オーバー』だ。

「再生エネの発電量が許容量を上回れば、電圧が不安定になる」と言う。

しかし、どの位の許容量があるかは、公開されていない。

再生エネ事業者は、「外部から検証できない。ブラックボックスになっている」と不満を隠さない。

「接続料金は大手電力会社の言い値で、接続を断る理由も勝手」という、無法状態になっている。

太陽光の発電事業者が九州電力に申請したところ、「半年以内に敷接したければ、明日までに2億円を振り込め」と指示されたという。

大林ミカさんは、こう指摘する。

「根本的な解決策は、発送電の分離だ。
だが、それを待っていては再生エネの普及が遅れる。

送電網を公平に利用できる、透明な仕組みが必要だ。」

○村本のコメント

北海道と本州を繋ぐ海底ケーブルは、将来のために必ず強化しておいた方がいいです。
こういう分野に公共事業のお金を使ってもらいたいですね。

もう新しいダムや道路は必要ないです。
こうした古いタイプの公共事業は、人々の幸福に直結しないんですよ。
一部の人の幸福にしか繋がらないのです。

電力会社の情報公開は、絶対に必要です。

情報を公開したら、実はかなり送電網の許容量がある(余裕がある)のではないかと思います。
なぜなら原発が稼動していないし、節電が浸透して国民の電力使用量も減少しているからです。

(以下は『東京新聞 2018年9月8日』から抜粋)

🔵九州電力の再生エネへの圧力

九州電力は9月7日に、電力供給量が需要量を大幅に上回ることによる停電を防ぐ名目で、太陽光や風力発電の事業者に一時的な発電停止を求める可能性を明かした。

これまでに離島での実施例はあるが、本格的なものは全国初となる。

九州では7月末時点で、太陽光発電は803万kW接続済みである。

需給のバランスが崩れると火力発電所などが自動停止し、停電が発生するので出力の制御が必要と、九電は主張している。

九電管内の再生エネ事業は約2.4万件で、事業者にとっては発電が制限されれば収益が減ることになる。

今まで九電は、蓄電池や揚水発電所の活用で、出力制御の要請を回避してきた。

この制限は、電力需要が少ない春や秋の休日で、太陽光発電の増える晴天の日中に実施される可能性が高いと九電は言う。

出力抑制となった時間は、連絡された発電事業者が送電網への接続を停止する。

○村本のコメント

九電側が送電網の充実にもっと努力すべきだと思います。

九電にしてみると、発電におけるライバルである再生エネ事業者のためにあまり金とエネルギーを使いたくないでしょう。

だから日本政府がきちんと大手電力会社に指導したほうがいいです。


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