(『図解新エネルギー早わかり』から)
地熱発電とは、マグマによって熱せられた熱水のある地層に、井戸を掘って、熱水と蒸気を取り出し、その蒸気でタービンを回して発電する方式です。
熱水は使用せず、地下に還元します。
日本の地熱資源量は、20540MWで、世界で第3位。
これは、原発20基分に相当します。
日本は、地表に近い所までマグマが接近しており、地熱発電に有利です。
現在、日本には地熱発電所が18基ある。
国内の総発電量の、0.3%を占めています。
地熱資源の多くは、国立公園や温泉地の近くにあり、国や地方の積極的な関与が望まれます。
(『電力供給が一番わかる』から)
地熱発電のCO2排出量は、水力発電並みでとても少ないです。
太陽光や風力のような出力変動がなく、24時間安定して発電し続けます。
環境省の2010年の調査では、33000MWのポテンシャルがあり、これは原発33基分に相当します。
現在はまだ、530MWしか実現してません。
地熱発電は探査がボーリング調査による手探りになるため、開発リスクがあります。
しかし、いったん発電所が完成すれば、効率良く発電できます。
地熱発電では、地下から上がってくる蒸気によるタービンの腐食があり、耐腐食性がカギになります。
日本のメーカーはこの点で高い品質を誇り、タービンの世界シェアの8割を押さえていると言われています。
(2012.9.11.に作成)
(『地図で読む日本の再生可能エネルギー』から)
日本における地熱発電は、発電設備が21基しかないなど、地熱資源は豊富なのに普及していない状況です。
地熱発電所は、30~40年も稼動しているものが複数もあり、「長期稼動させれば、コストは火力と変わらない」と言われます。
国内の発電容量55万kWのうち、15.4万kWが大分県にあります。
地熱発電のプラントメーカーは、日本企業がシェアの70%を占めています。
それなのに、日本では1990年代の「新エネルギー政策」で地熱発電をターゲットから外したため、普及が停滞していました。
○村本のコメント
地熱資源量が、上だと20540MWで、下は33000MWに増えていますが、これは下の本の方が最近に書かれているためです。
地熱発電には、熱水も活用する「バイナリー方式」もあります。
さらに、マグマそのものを活用する「マグマ発電」も研究されているようです。
これが実現したら、とんでもない量の発電ができ、それだけで全電力をまかなえそうです。
(2013.10.7.に追記)