番外編 生ごみのリサイクル(土への戻し)
ダンボール・コンポスト

(2014年2月15~17日に作成)

4ヶ月ほど前から、『ダンボール・コンポスト』を我が家で実施しています。

これは、「ダンボールに、食べ残した生ごみを入れて、微生物の力で土に戻す」ものです。

こいつは要するに、

「家庭で出る生ごみって、ごみの日に出すと燃やされちゃうじゃない。

何でもかんでも燃やす、そういう事でいいのかな? 
リサイクルできる素材なのに、もったいないよ。

土に戻すのがベストなのだが、ただ生ごみを土に撒いたり交ぜるだけだと戻るのに時間がかかるし、ネズミとか猫や鳥が来てしまう。

よい方法があればなあ。」

という人々の願望に対して、

「微生物の力は凄いんだぜ。

彼らの分解力を活かせば、1~2週間で分解して土に還るよー(^-^) 」

との解答を出したものです。

私の家には庭があるので、生ごみリサイクルは以前にもチャレンジした事があったのですが、その時は上手くいきませんでした。

今回は、とても順調に進んでいます。

多くの家庭に普及してほしいので、ここで体験を取り上げますねー(^-^)

私が『ダンボール・コンポスト』に出会ったのは、郵便局でチラシを目にした時でした。

私の住む小田原市では、これに市として取り組んでいるので、「最初はタダで出来ます。市が必要なものを配るので、取りにきて下さい。」と書いてありました。

それで興味を持ったので、配布している場所に取りに行ったのです。

場所は、「朝ドレファ~ミ」という名の、農産物の直売所でした。

(ここからしばらくは、話が脱線します。
ダンボール・コンポストにのみ興味のある方は、30行ほど読み飛ばして下さい。)

私は、軽やかな気持ちで「朝ドレファ~ミ」に車で向かいました。
すると、着いてみたらえらい混雑ぶりなのです。

あまり立地場所が良くないのに、駐車場が一杯のため少しの間待たされるほどです。

そうして中に入ってみると、混んでいるのが「なるほど」と納得できる品揃えで、私はすっかり感心してしまいました。

商品は地元・小田原で採れた野菜が中心なのですが、どれも新鮮そうで、生産者の名前もきちんと表示されており、値段もスーパーよりいくぶん安いのです。

直売所というものには、何度か行った事はありましたが、これほど規模の大きい所は初めてです。
「こんな場所が小田原にあったか!」と驚きました。

店員に聴くと、4年くらい前に開業したそうです。

直売所の中は、主婦らしき人で一杯でした。

皆が買う気まんまんなので、空気がやや殺気立っているほどの、大繁盛ぶりです。

私は、「こういうお店が繁盛する時代が来たかー。今は自動車が普及しているから、場所が不便でも良い店があれば通うよな。まさしく地産地消だな、これは。」と、世の中の最新事情に精通して賢くなったような気分になりました。

ここは農協が運営しているようですが、おそらくここまで繁盛すると思っていなかったのでしょう。

駐車場が需要よりも小さいし、店員もお客の数に追いついていないのでした。

「農協の職員は、きちんとチェックしに来ないといかんなあ。運営が滞っているぞ。」と思いましたねえ。

店内の品揃えと繁盛ぶりを眺めながら、

『これからの時代は、こういう農業の在り方が良い。

生産者と消費者がダイレクトに繋がるスタイルこそ、人々が幸福になる道だ。』

と確信しましたよ。

日本人は長いあいだ、「遠くのものを取り寄せて食べるのが贅沢なのだ」と思ってきました。

最近ようやく、「近くで採れる新鮮なものを食べるほうが贅沢だ」と再認識してきましたね。

こうした地産地消が進んでいくと、必然的に都会は不味いもの(余り物)を食べる事になりますが、それでいいと思います。

大金を稼げるという理由で、美味いものが都会に集まるシステムは、歪んだシステムだと思います。

食べ物を長距離で運ぶと、それだけガソリンなどのエネルギーを消費します。
冷静に考えると、すごい無駄だと思います。

大金が欲しい人は、都会に出て、不味い空気と食物を食べる。

豊かな暮らしが欲しい人は、田舎に住んで、広い家で美味いものを食べる。

この住み分けでいいんじゃないかと。

えっと、話が大幅にずれましたが、元に戻します。

この朝ドレファ~ミの一画で、ダンボール・コンポストの配布会が行われていました。

市の職員とボランティアの方が配布を担当していましたが、丁寧に使い方を説明してくれました。

私はそこに行き、1セットをもらって帰宅しました。

そうして、家に戻るとさっそく1セットを開いてみました。

セットの内容は、これです。

① 普通サイズのダンボール ② オガクズみたいなフワフワした木のくず ③ 米ぬか

『まずダンボールに、木くずと米ぬかを入れる。

そして、そこに生ごみを加えていく。

すると微生物が活性化して、次々と生ごみを分解していく。』

凄くシンプルな原理です。

重要な事は、『きちんと分解していくか』なんですよ。

最初の方で書いたように、私は以前にも生ごみのリサイクルのチャレンジした事がありました。

その時のは、腐葉土みたいなものに生ゴミを入れていくタイプだったのですが、(分解するという話だったのに)ほとんど分解されず、失敗に終わりました。

前回の件が頭にあったので、(上手くいくだろうか…)と注視していたのですが、今回は実に順調に分解していきました。

配布していた方は、「1つのダンボールで、3ヶ月くらい使えます」と言っていたのですが、私の家では2ヵ月でダンボールが一杯になり、分解力も落ちてきました。

なので、始めてから4ヵ月ですが、すでに2回、ダンボール一杯分の生ごみを土に戻しきって庭に埋めました。

このやり方は、明らかに前回の腐葉土タイプよりも、分解力があります。

何となくですが、米ぬかが効いている気がします。

私の家は菜食なのでほとんど出ないのですが、肉も分解できます。
何と、卵のカラまで分解してしまいます。

配布時に、「たまねぎの皮だけは、分解に時間がかかるので、入れない方がいいです」と言われたのですが、確かにこれだけは時間がかかります。

生ごみを投入して分解をさせていくと、どんどん中身が黒ずんできて、重くなってきます。
いわゆる普通の土に近づいてきます。

最初は木くずと米ぬかだけで、分解力を上げるため少量混ぜる水を合わせても2kgくらいだったダンボールの中身は、ごみを投入し続けて最後には15kgほどになります。

やってみて思ったのは、『かき混ぜるのが、けっこう大変だ』という事ですねー。

よく混ぜたほうが分解が進むのですが、中身が増えてくると、これがかなりの力仕事です。

最初のうちはいいのですが、1ヵ月くらい経つと中身が増えてくるので、重くなってきてかき混ぜるのに一苦労します。

年配の方だけの家庭だと、この作業で挫折する可能性もありますね。

もう1つ思ったのは、『燃せるごみの量が半分に減ったぞ』です。

生ごみのすべてをダンボールに投入できるので、燃せるごみで出す量が激減しました。

それまでは1週間に2回の燃せるごみの日に毎回捨てていたのに、1週間に1回だけで済むようになりました。

これが日本全国で普及すると、燃えるごみが半分になり、自治体の経費(焼却費)がかなり削減できると思います。

結論になりますが、この『ダンボール・コンポスト』は、着実に分解できるし、手法もシンプルなので、万人におすすめです。

庭の無い方だと、分解を終えて生まれる土の処分に困ると思いますが、今はベランダで野菜を育てることも行われているし、利用する道はあると思います。

このリサイクルは、①ごみの量がへる ②土が豊かになる ③自然環境に優しいという、3つのメリットがあります。

日本だけでなく、世界全体で普及していってほしいです。

〇2020年12月11日に追記

ダンボール・コンポストですが、やっていくうちにダンボールではなく、発砲スチロールの箱を使うほうが良いと気付きました。

微生物がごみを分解するにあたり、水分があって少しじめじめする状態のほうが分解が進みます。

だから常に箱の中を少し湿った状態にキープするのですが、ダンボールだと傷みが出て底に穴が開いたりします。

なので、水に強い発砲スチロールの箱のほうがおススメです。


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