合成燃料というクリーンなエネルギー

(以下は『ANN NEWS』2024年9月28日の記事から抜粋
2026年4月9日に作成)

二酸化炭素=CO2から作る、クリーンなエネルギーとして注目されている「合成燃料」。その日本初の実証プラントが完成した。

「合成燃料」は、工場などで排出されるCO2と再生可能エネルギー由来の水素を合成してつくる液体燃料である。
CO2を削減できることから、次世代の燃料として開発が進められている。

石油元売り最大手の「ENEOS」が建設したプラントは、日本で初めて水素の取り出しから合成燃料の合成までを一貫して行うことができる。

今後、一日あたりおよそ159万リットルの製造を目指すという。

(以下は『資源エネルギー庁』2021年7月8日の記事
エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは、からの抜粋
2026年4月9日に作成)

🔵合成燃料の特徴

日本政府が2020年末に策定した「グリーン成長戦略」のもと、様々なチャレンジが行われている。

その1つが「合成燃料」の開発だ。

合成燃料は、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される燃料だ。
複数の炭化水素化合物の集合体で、「人工的な原油」とも言われる。

原料となるCO2は、発電所や工場などから排出されたCO2を利用する。
将来的には、大気中のCO2を直接回収する「DAC技術」を使うことが想定されている。

もうひとつの原料である水素は、再生可能エネルギー(再エネ)などでつくった電力を使って、水から水素をつくる「水電解」で調達するのが基本となる。

現在の主要な水素製造方法は、石油や石炭などの化石燃料から水蒸気を使って水素を製造する方法だが、これは非効率な製造プロセスである。

なお、再エネ由来の水素を用いた合成燃料は「e-fuel」とも呼ばれている。

合成燃料は、原油にくらべて硫黄分や重金属分が少ないという特徴があり、燃焼時にもクリーンな燃料だ。

また液体の合成燃料は、化石燃料を由来とするガソリンや軽油などの液体燃料と同じく「エネルギー密度が高い」という特徴がある。
つまり少ないエネルギー資源量でも多くのエネルギーに変換することができる。

これにはどんなメリットがあるのか。
たとえば大型車やジェット機の場合、電動化や水素化では液体燃料と同じ距離を移動するのが難しい。
こうした乗り物にも合成燃料ならば代替できる。

合成燃料の大きな特徴として、従来の「内燃機関」(ガソリンを使うエンジンなど)や、すでに存在している燃料インフラを活用できる点がある。

水素エネルギーなどのほかの燃料では、新たな機器やインフラを整備しなければならないが、合成燃料ならば導入がよりスムーズになる。

合成燃料は、国内で工業的に大量生産できること、常温常圧で液体であるため長期の備蓄ができるなど、さまざまな優位性がある。

いまバイオ燃料と並んで注目を集めているのが合成燃料である。
特に、電動化のハードルが高い商用車などは、合成燃料を代替燃料として利用することで脱炭素化できると考えられる。

今後は合成燃料の開発にくわえて、合成燃料の国際規格についても検討していく必要がある。

航空機・船舶の分野でも、CO2の削減目標が定められている。
航空機については、バイオジェット燃料・合成燃料、船舶については水素・アンモニアなどの代替燃料の技術開発が進められている。

航空機では、国際民間航空機関(ICAO)が2021年以降の国際航空に関してCO2排出量を増加させない目標を採択しており、その達成に向けてバイオジェット燃料に加えて合成燃料の活用が期待されている。

すでにバイオジェット燃料は商用化されているが、原料不足も懸念されている。

合成燃料はCO2と水素から工業的に大量生産できるので、航空燃料としても期待されている。

灯油・LPガス・都市ガスを利用した暖房器具は、エアコンと比べてすぐに暖まるので、寒冷地域では引き続き需要が残る可能性がある。
こうした場合にも、灯油などの代替燃料として合成燃料を利用できる。

🔵合成燃料の課題

合成燃料の課題の1つは、製造技術の確立である。
製造効率の向上が課題となっている。

もう1つの課題はコストで、現状では化石燃料よりも製造コストが高い。
国内の水素製造コストや輸送コストを考えると、海外で製造するほうがコストをおさえられると見込まれる。

しかし合成燃料のコストは、「脱炭素燃料である」という環境価値をふまえて考えるべきだ。
将来性のある代替燃料として研究開発を続ける必要がある。

合成燃料の技術開発は、欧米を中心に急速に広がっており、石油会社、自動車メーカー、ベンチャー企業などによるプロジェクトが数多く立ち上がっている。

今後10年間で集中的に技術開発と実証を行い、2030年までに製造技術を確立し、2030年代に導入拡大とコスト低減をおこなって、2040年までに自立的な商用化を目指す計画が立てられている。


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