タイトル覚え書き②
パーカーの「I Get a Kick Out of You」

🔵2025年3月20~21日 パーカーのコピーについて

「I Get a Kick Out of You」のパーカーのコピー演奏を録音し、発表した。

録音・編集しながら気付いたのは、とにかくリズムの正確性が重要ということ。

今まで、パーカーの演奏を再現するには、フレーズの正確な採譜、音のニュアンスや、強弱、アクセントが重要と考えていた。

もちろんリズムの正確さも意識していたが、この曲でもそうだが、パーカーは即興的に粗さのあるリズムで演奏しているように聴こえる。
だからリズムは時にずれていると感じていた。

ところが、真似して弾いてみると、リズムに正確に弾いた時が一番パーカーに近づく。

今までのパーカー・コピーでは、「どうも違うな、似ていない」と首をひねる事がままあった。
その理由は、リズムが原因だったと理解した。

彼は粗く見えていても、リズムに極めて正確に吹いており、それが彼のものすごいスウィング感に繋がっているのだ。
これはコピーを続けてきて、かなり近づける所まで上達したからこそ、気付けた。

そしてリズムに正確に弾くには、音の切れ味がとても大事になる。

びっくりする位、パーカーの音はリズムにきちんとはまっている。几帳面と感じるほどに。
周りのミュージシャンのほうがずれているくらいだ。

これだけ正確に弾くからには、頭の中に譜面のようにフレーズがきちんと浮かんでいるのだろう。

今回は、今までで一番うまくコピーできたし、正直、ギターでこれほどパーカーに近づけた人は他に聞いたことはないが、自分の演奏を聴いて「詩のようだ」と思った。

1つの練り上げられた詩を聴くかのように、ストーリーがある。

「パーカーのソロは、音1つ変えられないほどに完成されている」と、誰かが言っていたが、本当にそうなのだ。

もはや「詩」なのだが、語り手がパーカーの時と私では、違った印象になる。

パーカーだと苦しさとかうめきも聴こえるが、私だと彼を真似ても不思議なことに澄んだ響きや悟った落ち着きが出てくる。

パーカーと比べてみて、次に注意すべきはアクセントの付ける位置、音をあえて弱くする所に注意が必要と感じた。

素早い跳躍的なフレーズの所で、私のギターだとどうしてもアタックが強くなってしまう。
だが、そこでもパーカーはしっかりと音に強弱を付けて、アクセントを生み出し、フレーズに躍動感と説得力を生み出している。

いつもは音質を気にして、32bit、192khzで録音していたが、今回はそれだとベース音源の音がおかしくなるので、24bit、96khzにした。

純粋にギターだけだと、32bitのほうが音は良いのだが、他の音源も使う場合、24bitになる。

今回のギター音は、BIASの調整が上手くいったので満足できる音になった。

正直、24bitでも大丈夫だ。
24bitのほうがデータ量が少なくていいし、これからは24bitを基本にしていくかもしれない。

今回はピアノを入れず、バッキングも自分のギターにしたが、ピアノの打ち込みよりもはるかに自然な響きがする。

何度も録り直しをする事もなく、ほとんど時間をかけずに録音できた。

バッキングの練習は全くしていないのに、上手くなっていた。
ギターソロを沢山録るなかで、リズム感覚がより正確になり、ピッキングも洗練されたからだと推測する。

なおバッキングのギターはBIASを使わず、コンプを少しかけるだけにした。

ほとんど生音だが、音量を抑えたのもあり、違和感なく存在している。


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