タイトル貧困者を食い物にするビジネス④
まとめ

(『貧困襲来』湯浅誠著から抜粋)

貧困者を食い物にする『貧困ビジネス』は、不利な条件が設定されており、いつまで経ってもそこから抜け出せなくなるはめになります。

貧困生活に陥ると、アクセスできるのは貧困ビジネスばかりになり、劣悪な条件に手を出さざるを得なくなる。

貧困ビジネスは、「グローバル競争に勝ち残るために必要だ」といって導入された、規制緩和が生み出したものです。

大抵の人は貧困を見ようとせず、「なんだかんだ言っても、本人が悪いんじゃない?」と考えて、そこで思考を止めてしまう。

行政は、貧困ビジネスの実態を十分に知っています。

知っていながら、しばしば協力関係を作っている。

ある人が福祉事務所に相談に行ったところ、「サラ金でも利用したらいかがですか?」と言われたという。

貧困ビジネスの側も、行政と協力関係を築くことで、社会的信用を得ている。

そしてマスコミは、行政や貧困ビジネス事業者の言う事を信用する。

呆れ果てる事態と言う他ありません。

母子家庭の母親や野宿者を劣悪な条件で働かせて、それを「自立支援」と言うのは、貧困ビジネスの世界に放り出しているにすぎません。

貧困ビジネスが公的セーフティネットに取って代わるという、悪夢のような事態が起きています。

(2014.7.30.)


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