(『貧困襲来』湯浅誠著から抜粋)
戦後の日本は、福祉の中核は「企業」と「家族」が担ってきました。
福祉について、国はあまり熱心ではなかった。
例えば、日本には公営住宅が少ないし、教育にもかなりお金がかかります。
賃金だけでは生活が厳しいので、企業が福祉をしていました。
住宅手当を出し、社宅を用意し、終身雇用を保証しました。
小さい工場でも、住み込みの仕事はたくさんあった。
これが、50代~60代の年齢の人が口にする「私たちは1人で頑張ってきた。若者はもっとしっかりしなさい。」の正体です。
彼らは、立派に守られてきたのです。
彼らは国家に守られていなかっただけで、企業と家族に守られていました。
しかし今は、企業は福利厚生を大幅に削っているし、家族も支えきれなくなっています。
(2014.7.23.)