(消費税の廃止を求める関西連絡会のHPから抜粋)
消費税の導入以降の15年間で、消費税の税収は136兆円にのぼった。
その一方で、法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)の税収は、減税政策により131兆円も減った。
これを見れば、「消費税は、法人減税の穴埋めに使われた」と言っても、過言ではない。
2003年には、相続税と贈与税の最高税率が、70%から50%に下げられた。
この穴埋めにも使われている。
日本憲法の理念は、「税金は、経済的な能力に応じた負担とする」である。
ところが、この20年くらいは、大企業と資産家への大減税が行われてきた。
まず、この事を正す必要がある。
小泉純一郎・政権は、庶民に対しては「定率減税の廃止」「配偶者特別控除の一部廃止」「老年者控除の廃止」「消費税の免税点の引き下げ」などの増税を行った。
その一方で資産家には、「株式配当・譲渡益の減税」「相続税と贈与税の税率の引き下げ」をした。
そして大企業には、「研究開発・IT投資への減税」「連結納税制度の創設」といった減税を行った。
小泉政権を継いだ、第1次の安倍政権は、「法人税率の引き下げと、その穴埋めを消費税の増税で行う」という政策を打ち出した。
しかし2007年に参院選挙があるので、消費増税を封印した。
そして、参院選挙後に増税を議論して、08年に国会へ提出する構えを見せた。
(その後、安倍政権は退陣になった)
(なお第2次の安倍政権は、消費税の10%への増税を決め、最近は「法人税を10%下げる」との方針を打ち出している)
「大きい政府」と「小さい政府」という言い方がある。
新自由主義は、「小さな政府にすれば、財政赤字は減り、景気も良くなる」と主張する。
そして、規制緩和と民営化を進めようとする。
しかし、『日本・アメリカ・カナダなどの小さな政府指向の国は財政赤字』となっており、『スウェーデンやデンマークといった大きな政府の国は財政黒字』なのである。
ヨーロッパ諸国の福祉は、決してお金だけをばらまくものではない。
福祉にはたくさんの働く人が必要で、雇用も生まれる。
もし大学までの授業料が無料なら、子供の学資をためなくていい。
社会保障がしっかりしていれば、老後のための蓄えもいらない。
北欧は、そういう社会である。
日本は、「法人税が高い」とされているが、「IT投資減税」や「研究開発減税」などを考慮した実効税率は、決して高くない。
日本国憲法では、「税金は福祉に使われるべきだ」となっている。
私たちは、税金の使い方について、意見を言っていかなければならない。
(2014年2月2日に作成)