タイトルサッカー
クラブワールドカップと澤選手の引退
(2016.1.13.)

日本サッカーでは、年末に「クラブワールドカップ」と「澤選手の引退」という、2つの話題がありました。

今日はそれについて書こうと思います。

まずクラブワールドカップなのですが、『サンフレッチェ広島の活躍』が大いに目立ちましたね。

私は大会前に、「今のサンフレッチェは強いから、上手くいけば決勝進出もある」と見ていました。

今までにクラブW杯に出たJリーグのチームのうち、今回のサンフレッチェが最も充実したサッカーを展開していました。
だから、かなり期待していたのです。

残念ながら、怪我人が出たのもあって、準決勝で敗れてしまい、3位という成績でした。

今大会では、「青山選手の活躍のすさまじさ」が話題でした。

私は、彼の能力を高く評価しており、2015年8月22日の日記で「青山は現役日本人MFでは最も完成度が高い選手だ。日本代表のキャプテンにすべき。」と書きました。

あの時、多くの読者は「そこまでの選手か?」と疑問に思ったかもしれません。

だが、クラブW杯という最高峰の舞台で、実力を完全に見せ付けてくれました。

青山さんは、対戦チームが「広島で一番重要な選手だ」と分析し、厳しいマークをする中でも、輝き続けた。

彼は『ワールドクラスの選手であること』を、世界中のサッカー・ファンに知らしめた。

こんなに嬉しいことは、なかなか無い。

青山さんの能力を評価する私は、「素晴らしい選手なのに、なぜ日本代表から外れるのだ。サッカー・ファンもあまり注目しないし。くそっ! 青山が日本のMFでは、一番安心して観ていることの出来る安定感に溢れた選手なのに!」と思ってきました。

だから、彼が大会中に活躍するたびに、「よしっ! 俺の目に狂いはなかった。」と深い満足感を覚えました。

たぶん日本のサッカー・ファンおよび広島のファンは自覚していないでしょうけど、青山さんは海外のビッグクラブでも充分に通用する選手です。

例えばレアル・マドリードに加入したら、さすがにモドリッチやクロースから先発の座は奪えないでしょうけど、バックアッパーでなら完全に通用しますよ。
重要でない試合ならば、先発でも大丈夫です。

はっきり言って、本田や香川や柴崎は、レアルに加入しても全く出番はないでしょう。

だが、青山ならば通用する。

青山さんはワールドクラスの選手であり、彼をJリーグで見られるのは幸せな事なんですよ。

そういうレベルの選手だが、地味だからどうも軽く見られている気がします。

青山は凄い。彼を日本代表に呼び、キャプテンにしよう。

私は再度、この提案をします。

話をサンフレッチェ広島の他の選手に移すと、「ドウグラスさん」「塩谷さん」「浅野さん」「柏さん」も素晴らしかった。

このうち柏さんを除く3人については、少し前の日記で「日本代表に入れてもいい選手」と書きました。

しかしドウグラスさんは、準決勝のリバープレート戦で、素晴らしいパスを数回もらって大チャンスになったのに、ミスでふいにしてしまった。

あのプレイでは、日本代表のFWは任せられないなあ。

彼は南米の出身なだけに、名門リバープレートの名前にビビッてしまい、動きが鈍くなっていましたね。

でも、やっぱり良い選手だと思う。

ドウグラスとカイオ。この2人は日本代表に欲しいので、日本国籍を取って下さい。

サンフレッチェ広島は、やや守備的すぎる(DFラインが低すぎる)けど、とても完成度が高い。

森保監督は、とても手腕がある。
Jリーグでナンバーワンの監督だと思ってます。

チームの攻守が安定し統率されているのは、青山キャプテンの力も大きいと思う。

青山さんは、キャプテンに向いている。
彼が日本代表のキャプテン・マークを巻く姿を見たい。

今大会で優勝したのはFCバルセロナでしたが、所属選手が凄すぎる。

あれは反則です。

あまりに強すぎて、見ていて面白くなかった。

でも、「ブスケッツのパスが凄い」と解説者は力説していたけど、青山のパスも同じクオリティでしたよ。

青山は負けてなかった。私は、そう思う。

これで、クラブW杯については終わりにします。

ここまでは青山づくしの記事となったが、個人的には「青山の大会」だったと思うので、それでいいのである。

次は、澤選手の引退について。

私を含めて多くの方が、「まだまだ良いプレイを続けられる。次のオリンピックにも出るだろう。」と思っていました。

なでしこジャパンの佐々木監督も、「オリンピックのメンバーに入れるつもりだったのに…」と発言しました。

突然の引退表明には、戸惑った人も多いのではないでしょうか。

特になでしこリーグを観ている人は、彼女が今でもリーグ屈指のボランチであることを理解しているから、余計にそう思ったはず。

とはいえ、引退した気持ちも分かる気がする。

私は、2015年11月30日の日記にて、「なでしこジャパンで、阪口と川村をボランチのスタメンにしよう。澤はバックアッパー」と書きました。

こうした意見は増えてきていると思うし、代表でずっと中心選手だった澤さんは寂しく感じたかもしれない。

なでしこジャパンの強化を熱心に語るあまり、ごく当たり前に「澤はバックアッパー」と書いてしまったが、あれほど偉大な選手に対して失礼だった気もする。

ごめん、穂希ちゃん。

私が驚いたのは、澤さんが引退を表明した後の、INAC神戸の豹変ぶりです。

澤さんの所属するチームなのだが、チームメイト達が「澤さんの引退を皇后杯の優勝で飾ろう」と意気込み、別のチームになってしまった。

結局、皇后杯を圧倒的な強さで、もぎ獲った。

リーグ戦での不完全燃焼ぶりが、嘘のようだった。

INAC神戸の豹変を見て、「モチベーション」がいかに重要かを、改めて思い知りました。

モチベーターと呼ばれる監督がいるのも、納得だ。

私は皇后杯を、準々決勝から観ました。

そこで気付いたのは、「日本の女子サッカーの戦い方が変わった」という事です。

各チームは、対戦相手を研究し、キー・プレイヤーを潰しにきた。

今までの日本女子サッカー(なでしこリーグ)は、明らかに凄い働きをするプレイヤーに対しても、あまり厳しいマークはしなかった。

それゆえに、牧歌的な雰囲気になっていたのだが、どうも様子が変わってきたのです。

今までのなでしこリーグって、スター選手に敬意を持っているからか、特別に厳しいマークをする事をせず、スターを存分に輝かせていました。

ベレーザの阪口、ベガルタの川村、湯郷の宮間など、「こいつを潰せば、チーム力が激減する」というキー・プレイヤーに対しても、他の選手と同じ強度でのマークを選択していた。

それが、今年の皇后杯では違った。

ベレーザの阪口、ベガルタの川村は、ボールを持つのを待ち構えられて、ガツッと寄せられて苦戦していた。

なでしこリーグの1位と2位であるベレーザとベガルタが、皇后杯の決勝に進めなかったのは、阪口と川村を輝かせなかった対戦相手の作戦勝ちだと思う。

こんなにエグイ戦い方は、かつてない。
正しい作戦を選んだと思うし、非難する気はさらさら無いのだが、私のお気に入りの阪口と川村が狙われ続ける姿を見るのは、少しショックだった。

だが、これからのなでしこジャパンの中心を担うこの2人は、厳しいマークを受けても輝くレベルに進化しなければならない。

だから、これでいいのだ。

私が見るところ、INAC神戸は、キー・プレイヤーがだれなのか周知されておらず、その人物が放置されています。

神戸だけがキー・プレイヤーが野放しなのは不公平なので、ここで発表しましょう。

その人物とは、右SMFの川澄さんです。

彼女は地味にプレイし続けるが、要所で重要な働きをする。
彼女を見逃してはならない。

川澄さんが良い感じでボールに触ると、神戸のサッカーは躍動します。

私が対戦相手の監督だったら、「まず川澄をチェックしろ。自由を与えるな。あそこを止めれば、それほど怖くない。」と指示します。

川澄さんに次ぐキー・プレイヤーは、澤さんでした。

彼女は引退したので、誰がそれに替わるのか。

私は、京川さんのサッカー・センスを高く評価しており、「調子が良い時は、大変にやっかいな選手だ」と思っています。

だから、おそらく彼女が澤さんの後を継ぐと思う。

最後に、本日の夜に第一試合がある、「男子代表のオリンピック最終予選」について触れます。

現在の男子代表のU-23は(アンダー世代は)、どうもパッとしません。

成績が良くない。女子代表とは雲泥の差があります。

手倉森監督も頭を痛めているらしく、「サッカー・ファンの皆に心配してもらいたい」とお手上げともとれるコメントを出しています。

正直な話、私の所にもSOSの信号が送られてきているのを、感じてます。

SOS信号は受け取ったが、残念ながら提言も助言もできません。

なぜなら、ぜんぜん試合を見ていないからです。

女子代表はアンダー世代の試合もたまに観ますが、男子は全く観ていません。

どんな選手がいるかも、数日前のTV特番でようやく知ったほどです。

敗退の可能性は十分にあると感じていますが、私には何もできません。

申し訳ない。
男女のA代表と、なでしこリーグを観るので、手一杯です。

以前はスペインリーグも観ていたが、最近はJリーグにシフトチェンジしつつある。

私の見る限りでは、Jリーグには大した若手はいませんね。

今回のU-23でエースとされる南野さんですら、私はあまり評価していません。

フォルランさんが所属していたから、セレッソ大阪の試合を割とチェックしていた時期がありました。
その時に「期待の若手」として、南野さんがセレッソで出場していた。

正直に告白しましょう。

解説者が南野さんを褒める中、私は「この選手はドリブルに自信があるらしく、すぐにドリブルを始めるが、ほとんど止められている。そして、周りを全然見ていない。大した選手ではない。」と思いました。

彼は今期、オーストリア・リーグで活躍しているが、そのリーグのレベルが高いのかどうか、大いに疑問がある。

セレッソ時代より成長しているかを、オリンピック最終予選で確認しますよ。

今のU-23のFWでは、ジャガー浅野は高く評価しています。

彼は、スピードで注目されているが、重要なのは『トップ・スピードでも精度の高いプレーができること』です。

ここが、永井謙佑さんと根本的に違う点です。

ジャガー浅野は、クラブワールドカップでも活躍したし、A代表に入れても良い選手です。

彼の能力は、信頼できる。

女子代表がオリンピックに出られれば、私は満足できます。

だから、すっごく軽い気持ちで男子の最終予選を見ることにします。


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