私が楽しんでいる「女子のVリーグ」。
レギュラー・ラウンドが昨日に終了し、これからは上位6チームに絞られてプレイオフ(ファイナル6)に入ります。
最近、Vリーグ女子の放送日が待ち遠しくて仕方ない。
というのも、レベルがぐんぐん上がってきて、白熱した試合が多いからです。
私は、昨シーズンからTV観戦を始めたのですが、その時は退屈な試合が多くて、セッターとリベロについては「良い選手がほとんどいない」と感じました。
その感想は、当時の日記にも書きました。
あれからまだ1年半も経っていないですが、私は本当に驚いているのですが、選手たちの成長が著しく、才能ある新人も登場している。
試合内容は格段に上がり、もはや同じリーグだと思えない。
急激に進化した結果、サッカーのJリーグの2倍くらい、ワクワク感のあるリーグになってしまいました。
おそらく、いま日本で最も熱いスポーツ・リーグだと思う。
ちなみに、Vリーグの男子は、大した事ありません。
試しに、先日に天皇杯の決勝を観てみましたが、ワクワク感はほぼゼロです。
Vリーグ女子は、とにかくレシーブが熱い。
どんなボールでも、諦めずに食らいついていく。
あの情熱と根性を、JリーグのボランチやDFに植え付けたいくらいだ。
レシーブのレベルが上がったので、ラリーになる事が多くなり、試合がだれなくなった。
やっぱりバレーボールは、レシーブが良いと白熱しますよ。
本当に面白いので、まだ観ていないスポーツ好きの方は、チェックしてほしいです。
さて。
ここからは、私が気になった選手を中心に、話を進めていきます。
まず今シーズンは、『東レの調子が良い』のが、大きな特徴です。
昨シーズンは、選手層は厚いのに下位に低迷していたので、えらい違いです。
絶好調の理由は、「エースである迫田と木村の活躍」「正セッターとなった田代のレベルの高さ」「リベロに新加入した木村美里の活躍」、この3つだと思ってます。
昨シーズンは、大活躍しなければならないエースの迫田さんと木村さんが、いまいちでした。
この2人は、日本代表でも本来の出来ではなく、私は「何をやっているんだ」とイライラしていたので、2度ほど日記の中でアドヴァイスをした事が(弱点を指摘した事が)あります。
私のアドヴァイスを見てくれたのか、2人は弱点を克服して、すばらしいプレイを出し続けています。
特に木村さんは、身体が引き締まり、すごくシャープな動きをしている。
2人とも少し細い感じを受けるが、あれがベストの体重なのだと思う。
迫田さんは、レシーブでも奮闘するようになり、もうスパイクだけの人ではない。
サーブも上手くなった。
日本代表のエースである長岡さんは相変わらず好調なので、オリンピックに向けて見通しが明るくなってきましたよ。
セッターの田代さんは、安定して良い働きをしています。
私は彼女の才能を高く評価していて、昨年11月の日記で、「田代は3年以内に、日本代表の正セッターになる」と予言したほどです。
現在の東レの好調ぶりは、田代さんの貢献も大きい。
彼女は、ほとんど表情を崩さずに、冷静そのものでプレイをしていくが、試合の流れを読むのに長けている。
まだ24歳で、これから経験を重ねていけば、ゲームのコントロール能力はさらに上がっていくでしょう。
トス技術はしっかりしているし、レシーブをもう少し鍛えれば、誰もが認める「Vリーグのナンバーワン・セッター」になれます。
私は、彼女の才能に惚れ込んでいる。
上でリンクを貼った昨年11月の日記では、「もの凄い新人が現れるか、ライバルの宮下が爆発的な成長をしなければ、田代が代表の正セッターになる」と書きました。
正直言って、もの凄い新人の登場は、まず無いだろうと考えていました。
「田代は10年に1人の逸材で、彼女を脅かす存在はそう簡単には出ない」と思っていた。
ところが!
才能があると一目でわかる大物の新人が、早くも登場した。
それも田代と同じチームに!
私は、心底から驚き、『この世界とは、本当に面白い所だなー』と感慨深くなりましたよ。
その大物新人の名は、白井美沙紀という。
彼女がプレイする姿はまだ合計で3セットくらいしか見ていませんが(彼女はまだ19歳で、途中から出場してきて、すぐにベンチに下がってしまう)、「素晴らしい才能を秘めている」と確信しました。
白井さんは、トスが柔らかくて、身体の動きも柔らかい。
この点については、Vリーグ女子のセッターで並べる人はいません。
彼女は、メンタル面でも優秀で、デビューしたての新人なのに、全く物怖じしていません。
トヨタ車体の佐藤澪と並ぶ、どんな状況でも笑顔を絶やさない、折れないハートを持つタイプです。
私は、彼女が伸び伸びしている姿を見ていて、「田代さんは良い性格なのだな」と白井さんよりも田代さんに感心しましたよ。
普通だと、ようやく正セッターの地位を得た時に、狙いすました様にライバルが出現したら、多少とも不機嫌になると思う。
動じずに不変の態度でおり、時には白井さんにアドヴァイスまでする姿を見て、「田代は、あねごタイプの良い奴らしい」と感じました。
話を白井さんに戻すと、何回かトスを上げるのを見ただけで、「これは凄い、天賦のトス能力を持っている。田代とは違うタイプだが、才能では劣らない。」と思った。
それ位に、トスの柔らかさで際立っている。
彼女の才能は、『チャンスをもらえれば、3年でVリーグ屈指のセッターになる』レベルだと思います。
田代さんの才能に惚れ込んでいる私としては、「なんつー状況を生み出すんだよ!よりによって田代と同じチームにこんな才能が現れるなんて!」と、目を白黒させています。
田代と白井の才能は、甲乙つけがたい。
あれだけの才能が同じチームに居るなんて、不幸だと思う。
田代と白井が、ライバルとしてコート上で対面で向き合う絵は、想像するだけでワクワクする。
この2人は、別々のチームに存在するほうが良い。
現状だと、デンソーには有能なセッターがいません。
白井さんは、デンソーに移籍すれば、すぐにスタメンになれると思う。
私の見るところ、田代さんと白井さんは、日本代表を背負って立つセッターになれる可能性を持っています。
だから、大きなチャンスを与えたい。
所属チームではスタメンで使い続けて、育てるべき人材だと思います。
頼む、東レ・アローズ。
白井を、セッターの弱いチームに放出してくれ。
東レでは、リベロでいきなり登場した木村美里さんも、素晴らしいプレイを披露しています。
ネットで調べたところ、彼女は2010年から東レにいるそうです。
だが、今シーズンまでは、見たことは無かった。
小平という選手が、昨年までは正リベロでした。
彼女はとても背が低いのだが、驚くことに『木村沙織の妹』だという。
この情報を得てから、沙織と美里を仔細に見比べるようになったのだが、顔も体型も身体の動かし方も、全く似ていません。
「DNA鑑定をした結果、血は繋がっていませんでした」と報告されても、私は全く驚かないでしょう。
唯一「似ているかなー」と思うのは、「笑顔の時の顔筋の動き方」だけです。
ずいぶん観察したが、それ以外には似ている点を見つけられませんでした…。
美里さんのプレイに話を戻すと、スパイクへの反応が鋭く、動きが俊敏で、かなりボールを拾うことができます。
セッターに正確にわたしていく精度の部分では、まだ物足りなさがある。
これだけの選手が、今まで出場機会がなかったなんて、信じられない気持ちです。
良いリベロが不在で守備で苦戦しているチームもあるのに。
話をVリーグ全体に持っていくと、ここ1年くらいで一気にリベロが充実してきましたね。
私は、Vリーグを観始めた当初は、リベロの実力の低さに不満たらたらでした。
その思いは2015年1月30日の日記に、吐露されています。興味のある方は、見て下さい。
リベロの弱さについて、深刻な心配をしていました。
「日本は背が低いから、レシーブで頑張らないと世界では勝てないのに、このクオリティではどうしようもない」と、少しブルーな気持ちでバレーボール界を眺めているくらいでした。
「佐藤あり紗しか、難しいボールを拾ってくれる選手がいないじゃん。その佐藤ですら、及第点は与えられない。」、こうした危機感を持っていました。
それが、次々とレベルの高い新人が登場し、佐藤らも成長を遂げて、私の心配を吹き飛ばしてくれています。
ちなみに、すぐ上でリンクを貼った記事では、「リベロはもっと身体を絞ったほうがいい」とも書きました。
でも、今のリベロ達をみる限りでは、それほど絞らなくても(やや太めでも)問題ないようです。
キレのある動きを見せていますからね。
とはいえ私は、佐藤あり紗さんの様な、スリムでしなやかな動きをするリベロが好きです。
太いのにあそこまで俊敏な佐藤澪さんは、化け物だと思う。
彼女は、数十年に1人くらいの特別な身体能力を備えている。
佐藤あり紗さんは、今期から日立のキャプテンになりましたた。
彼女はとにかく真面目な人で、責任感が強く、キャプテンに向いている。
あり紗さんは、どことなく超然としており、チームの輪の中心にいても「孤高の雰囲気」を漂わせています。
彼女の一挙一投足からは、誇り高さが伝わってくる。
私は、あの雰囲気(たたずまい)が好きなんですよ。
彼女は、『Vリーガーの中で、最も立ち居振る舞いが美しい選手』だと思う。
コートに立って居るだけで、芸術を感じさせてしまう、凄い人です。
レシーブの構えをしている時も、ラリー中に激しいポジション・チェンジをしている時も、選手交代があって待ち時間になり腰に手を置いて待機している時でさえも、美しい姿は崩れることがない。
常に気品をたたえているので、女神のような人物です。
彼女の周りだけ、空気が違う。
以前は日本代表にも選ばれ、その時に彼女のプレイを見たが、あの頃はそんなオーラは出ていなかった。
キャプテンに指名されたのが、自覚に繋がったのでしょう。
あり紗さんは、どんな動きも素早くこなし、こぼれ球の処理ではVリーグで一番です。
彼女の弱点は、スピードの速いボールだと少し苦戦するのと、2段トスがいまいちだったことでした。
でも、2段トスはすごく上手くなりましたね。
現状だと、Vリーグで最高のリベロは、佐藤あり紗と、丸山亜季です。
それに次ぐのが、佐藤澪、木村美里、戸江真奈です。
後者の3人は、佐藤は昨シーズンの途中でスタメンに抜擢され、木村と戸江は今シーズンからスタメンとなった。
つまり、ここ1年くらいで才能あるリベロが、がんがん現れたのです。
もう1人、座安さんも素晴らしくて、昨年の夏にあったワールドカップ・バレーでも活躍しましたよね。
残念ながら、彼女は怪我に苦しんでいる。
本調子ならば日本代表でも中心を担える選手なのですが…。
座安さんのコンディションが上がらないならば、オリンピックの最終予選ではメンバーから外したほうがいいです。
佐藤あり紗、丸山、佐藤澪の3人は、日本代表でも十分に活躍してくれます。
そう断言できるほど、実力が高まってきているし、調子が良いです。
感心するのは、上記のリベロたちが、レシーブだけでなくトスも上手くなってきている事です。
特にあり紗と澪は、トスの成長が著しい。
リベロが良いトスを上げるので、ゲームが引き締まっています。
セッターは安心してレシーブし、ボールを委ねている。
そういえば、NECの鳥越さんは面白い人で、トスはすごい上手いのに、レシーブがもう一つの選手です。
今シーズンからリベロ登録になったのだが、最初に見た時にトスの正確さに舌を巻きました。
「もしかして、凄い選手なのか?」と思ったら、レシーブはそうでもなかった。
長文になりましたね。
まだ書きたい事があるので、2回に分けることにします。