バレーボール女子代表
オリンピック第2戦 かなり修正されていた
(2016.8.9.)

昨日の夜中に、バレーボール女子代表のリオ五輪の第2戦目がありました。

相手は格下のカメルーンで、日本の勝てる可能性は極めて高かったですが、初戦で惨敗していたため心配してました。

私の予想通りに、日本はまだ調子が上がらず、序盤は苦戦しました。

1セット目は取ったが、2セット目になると相手にリードされ、引き離され始めた。

観ていて「まずいな…」と思いましたが、眞鍋監督もそう感じたようで、セッターを宮下から田代に替えました。

これが非常に効いて、日本は攻撃が多彩になり、その後は有利に試合を進めて、セットカウント3-0で勝ちました。

観戦している人達や、選手たちや、監督などのスタッフは、こう思ったはずです。

『宮下よりも、田代のほうが遥かに安心して任せられる。
 田代をスタメン(正セッター)にしたほうがいい。』

眞鍋監督は、田代をスタメンにする決断を下す段階にきていると思います。

ぶっちゃけた話、田代と宮下では「トスの精度」と「トスの組み立て」でレベルが違いすぎる。

一緒にプレイするスパイカー陣の顔つきや態度を見ても、田代の方が信頼されているのを感じますよ。

スパイカー達は、田代と組む時のほうが安心した顔つきで、気持ちよく打てている。

私は6月1~2日の日記において、「正セッターを田代に替えたほうがいい。宮下ではメダルは獲れないと思う。」と書きました。

この意見について、オリンピック本番が始まり2戦を終えた今、「賛同する人が増えてきている」と確信しています。

私が田代で心配していたのは、石井、荒木、山口とのコンビネーションがもう1つ物足りない事でした。

一緒にプレイしてから日が浅いので、仕方ないのですが、「オリンピックで通用するか微妙なレベルだな」と感じていました。

ところが、昨日のカメルーンでは相手が弱かったのもあるけど、まずまずの連係を見せていた。

驚いたのは、山口とのコンビネーションが大きく向上していたこと。

今までは、山口へのクイック・トスでは、宮下のほうが良かったです。

岡山シーガルズでいつも一緒にやっているから、これは当然です。

それが、ほぼ同じレベルまで田代が伸びてきていたのです。

山口に対して、宮下と大差ないトスを上げる田代を見ていて、「これはもう田代を正セッターにするしかないな」と思いました。

現在では、田代がチームにフィットしてきた結果、物足りないのは(宮下よりも下なのは)、ブロックだけです。

宮下は控えにして、田代が崩れた時や、守備固めやピンチサーバーで使おう。

一昨日の日記で、「韓国戦を見る限りでは、調子が良さそうなのは(安心して観ていられるのは)荒木・山口・長岡・迫田・座安の5人だ」と書きました。

この5人は、カメルーン戦でも活躍しましたね。

で、カメルーン戦では、木村と佐藤も良かった。
調子が上がっていました。

石井もボロボロだった初戦からだいぶ持ち直し、悪い出来ではなかったです。動きはまだ固いですが。

木村さんは、とても良かったよ。

攻撃でも守備でも活躍し、何よりも積極性があった。

「やれば出来るじゃないか。最初からやっておけよ、沙織。」と思いましたねー。

木村さんは韓国戦では足をつっていたので、「また足をつるんじゃないか」と気になってましたが、元気一杯で試合終了までプレイしていました。

ほんと、この人って行動(調子)が予測不能だなあ。

佐藤さんも、良くなってました。

表情に気迫が出ていて、ミスをしても落ち込まずに、集中力が持続していた。

佐藤さんは、心理状態が顔にモロに出る。

そういう意味では、正直で分かり易い人。

カメルーン戦の顔つきをしていれば、安心して観ていられる。
あの顔つきで、これからもプレイしてほしいな。

韓国戦ではレシーブとブロックが全く精彩を欠いていたため、そこが最大の修正すべき点でした。

カメルーン戦では、かなり改善されていましたよ。

レシーブは、リベロの佐藤が落ち着きをみせ、石井もどん底から這い上がってきて、セッターにボールを渡せるようになった。

ブロックは、荒木の活躍により機能し始めている。

ここまでの2戦では、島村さんがほとんど活躍してません。

スタメンに入っているのに、両試合とも途中で山口さんに替えられている。

私の見た印象では、彼女の調子は悪くない。動き自体は悪くない。

彼女は、サーブとクイック攻撃を武器にしているし、そこで良いプレイをすると勢いが出てくる。

クイック攻撃が出来るかはセッターの采配やレシーブが機能しているかにかかってくる(自分の力ではどうしようもない)ので、サーブで頑張って調子をどんどん上げてほしいですね。

さて。

これからチームとして修正していく点なのですが、カメルーン戦のTV解説をしていた寺廻さんが、とても適切な助言をいくつも述べていました。

だから放送を見て、彼の言葉に耳を傾けて下さい。

寺廻さんは、PFUブルーキャッツの監督をされているとのことですが、素晴らしい分析能力を持っていますね。

PFUはVリーグの2部にいたので(昇格戦に勝ったので来期は1部に登場する)、私は彼の采配を見たことがありません。

1部に昇格させた実績と、あの分析力をみると、かなりの実力を備えた監督なんじゃないかな。

今まで沢山の方の解説を聞いてきたけど、彼以上に的を射る解説に出会ったことがないです。

解説者になっても、第一線で活躍できるのは間違いないです。

最後になりますが、石井さんのレシーブについて気付いている事があるので、それを書きましょう。

これを直せば、レシーブ力が上がるかもしれないです。

石井さんは、レシーブをする時に、内股になる(膝が内側を向く)癖があります。

これが、以前から気になっているのです。

レシーブをする時は、膝をかなり開いたほうがいいんですよ。

相撲の動きみたいに、膝をガッと開いて腰を(重心を)落とすのが、基本です。

この基本が石井さんは出来ておらず、腰がフラフラしている。

スパイクの踏み切りでは内股になったほうがいいけど、レシーブでは違う。

それがいまいち理解できていないらしく、スパイクの踏切みたいな姿勢でレシーブしている感じがある。

レシーブの姿勢を矯正する必要があります。

相撲の四股を踏む動作とか、重心を落とした状態で前後左右に素早く動く動き(武道の動き)を、練習に取り入れるといいかもしれない。


日記 2016年7~9月 目次に戻る