昨日の夜中に、バレーボール女子代表のリオ五輪の第2戦目がありました。
相手は格下のカメルーンで、日本の勝てる可能性は極めて高かったですが、初戦で惨敗していたため心配してました。
私の予想通りに、日本はまだ調子が上がらず、序盤は苦戦しました。
1セット目は取ったが、2セット目になると相手にリードされ、引き離され始めた。
観ていて「まずいな…」と思いましたが、眞鍋監督もそう感じたようで、セッターを宮下から田代に替えました。
これが非常に効いて、日本は攻撃が多彩になり、その後は有利に試合を進めて、セットカウント3-0で勝ちました。
観戦している人達や、選手たちや、監督などのスタッフは、こう思ったはずです。
『宮下よりも、田代のほうが遥かに安心して任せられる。
田代をスタメン(正セッター)にしたほうがいい。』
眞鍋監督は、田代をスタメンにする決断を下す段階にきていると思います。
ぶっちゃけた話、田代と宮下では「トスの精度」と「トスの組み立て」でレベルが違いすぎる。
一緒にプレイするスパイカー陣の顔つきや態度を見ても、田代の方が信頼されているのを感じますよ。
スパイカー達は、田代と組む時のほうが安心した顔つきで、気持ちよく打てている。
私は6月1~2日の日記において、「正セッターを田代に替えたほうがいい。宮下ではメダルは獲れないと思う。」と書きました。
この意見について、オリンピック本番が始まり2戦を終えた今、「賛同する人が増えてきている」と確信しています。
私が田代で心配していたのは、石井、荒木、山口とのコンビネーションがもう1つ物足りない事でした。
一緒にプレイしてから日が浅いので、仕方ないのですが、「オリンピックで通用するか微妙なレベルだな」と感じていました。
ところが、昨日のカメルーンでは相手が弱かったのもあるけど、まずまずの連係を見せていた。
驚いたのは、山口とのコンビネーションが大きく向上していたこと。
今までは、山口へのクイック・トスでは、宮下のほうが良かったです。
岡山シーガルズでいつも一緒にやっているから、これは当然です。
それが、ほぼ同じレベルまで田代が伸びてきていたのです。
山口に対して、宮下と大差ないトスを上げる田代を見ていて、「これはもう田代を正セッターにするしかないな」と思いました。
現在では、田代がチームにフィットしてきた結果、物足りないのは(宮下よりも下なのは)、ブロックだけです。
宮下は控えにして、田代が崩れた時や、守備固めやピンチサーバーで使おう。
一昨日の日記で、「韓国戦を見る限りでは、調子が良さそうなのは(安心して観ていられるのは)荒木・山口・長岡・迫田・座安の5人だ」と書きました。
この5人は、カメルーン戦でも活躍しましたね。
で、カメルーン戦では、木村と佐藤も良かった。
調子が上がっていました。
石井もボロボロだった初戦からだいぶ持ち直し、悪い出来ではなかったです。動きはまだ固いですが。
木村さんは、とても良かったよ。
攻撃でも守備でも活躍し、何よりも積極性があった。
「やれば出来るじゃないか。最初からやっておけよ、沙織。」と思いましたねー。
木村さんは韓国戦では足をつっていたので、「また足をつるんじゃないか」と気になってましたが、元気一杯で試合終了までプレイしていました。
ほんと、この人って行動(調子)が予測不能だなあ。
佐藤さんも、良くなってました。
表情に気迫が出ていて、ミスをしても落ち込まずに、集中力が持続していた。
佐藤さんは、心理状態が顔にモロに出る。
そういう意味では、正直で分かり易い人。
カメルーン戦の顔つきをしていれば、安心して観ていられる。
あの顔つきで、これからもプレイしてほしいな。
韓国戦ではレシーブとブロックが全く精彩を欠いていたため、そこが最大の修正すべき点でした。
カメルーン戦では、かなり改善されていましたよ。
レシーブは、リベロの佐藤が落ち着きをみせ、石井もどん底から這い上がってきて、セッターにボールを渡せるようになった。
ブロックは、荒木の活躍により機能し始めている。
ここまでの2戦では、島村さんがほとんど活躍してません。
スタメンに入っているのに、両試合とも途中で山口さんに替えられている。
私の見た印象では、彼女の調子は悪くない。動き自体は悪くない。
彼女は、サーブとクイック攻撃を武器にしているし、そこで良いプレイをすると勢いが出てくる。
クイック攻撃が出来るかはセッターの采配やレシーブが機能しているかにかかってくる(自分の力ではどうしようもない)ので、サーブで頑張って調子をどんどん上げてほしいですね。
さて。
これからチームとして修正していく点なのですが、カメルーン戦のTV解説をしていた寺廻さんが、とても適切な助言をいくつも述べていました。
だから放送を見て、彼の言葉に耳を傾けて下さい。
寺廻さんは、PFUブルーキャッツの監督をされているとのことですが、素晴らしい分析能力を持っていますね。
PFUはVリーグの2部にいたので(昇格戦に勝ったので来期は1部に登場する)、私は彼の采配を見たことがありません。
1部に昇格させた実績と、あの分析力をみると、かなりの実力を備えた監督なんじゃないかな。
今まで沢山の方の解説を聞いてきたけど、彼以上に的を射る解説に出会ったことがないです。
解説者になっても、第一線で活躍できるのは間違いないです。
最後になりますが、石井さんのレシーブについて気付いている事があるので、それを書きましょう。
これを直せば、レシーブ力が上がるかもしれないです。
石井さんは、レシーブをする時に、内股になる(膝が内側を向く)癖があります。
これが、以前から気になっているのです。
レシーブをする時は、膝をかなり開いたほうがいいんですよ。
相撲の動きみたいに、膝をガッと開いて腰を(重心を)落とすのが、基本です。
この基本が石井さんは出来ておらず、腰がフラフラしている。
スパイクの踏み切りでは内股になったほうがいいけど、レシーブでは違う。
それがいまいち理解できていないらしく、スパイクの踏切みたいな姿勢でレシーブしている感じがある。
レシーブの姿勢を矯正する必要があります。
相撲の四股を踏む動作とか、重心を落とした状態で前後左右に素早く動く動き(武道の動き)を、練習に取り入れるといいかもしれない。