(毎日新聞2014年2月8日から)
ロシアは、『ロシア・日本・中国・モンゴル・韓国を結ぶ、壮大な送電網』を検討しています。
ロシアはこれを、「アジア・スーパーグリッド」と呼んでいる。
ロシアの電力企業は、1998~2000年に各国に提案したが、関心を集められなかった。
プーチン大統領は昨年7月に、日ロ間にエネルギー・ブリッジ(送電網)を建設するように指示しました。
サハリン州は、ロシアや日本の企業と共に、現地調査を行っています。
サハリン州知事は、北海道の高橋はるみ知事と会談し、海底送電線の整備について委員会の設置で合意しました。
この構想が実現した場合、ロシア側は最大60億ドルの投資を想定しています。
この構想には、日本からはソフトバンクなどが参加し、海底送電線の整備を検討しています。
(海底送電線について知りたい方は、こちらを見て下さい)
ロシア側は、日本が「法律によって電力の輸入を認めていないこと」「1つの企業が発電と送電を独占していること」を懸念しています。
日本が電力を輸入するには法整備が必要ですが、まだ議論は活発化していません。
○村本尚立のコメント
各国を送電線で繋ぐことは、ヨーロッパではかなり整備が進んでいます。
実際にヨーロッパでは、国家間で電力を売り買いする事も行われています。
ロシアのこの構想は、決して夢物語ではありません。
ロシアと日本が送電線で繋がり、ロシアから電力を輸入するようになったら、日本の電気代が安くなる可能性はとても高いです。
というのも、ロシアは天然ガスや石油の資源量が世界屈指だからです。
ロシアから電力を買う事については、「外国に依存してしまう」と言う方がいると思いますが、現状でも中東から石油や天然ガスを大量に輸入しているのですから、むしろリスク分散に繋がると思います。
送電網の整備にいくらかかるのか分からないので、手放しに推奨はできませんが、1兆円くらいまでだったら出す価値があると思います。
安倍首相はいま、北方領土の返還交渉を進めるために、柔道などのスポーツで日ロの友好をはかろうとしています。
でも、ロシアの提案しているこの構想に応えるほうが、交渉に好影響があると思います。
将来の事を考えれば、『日本国内の送電網の充実』と『外国の送電線との接続』は非常に有益なことです。
脱原発のための布石にもなるし、実現させたいテーマですね。