タイトル減反をやめて、余った米は貧しい国への支援にしよう
(2012.11.11.)

今回の提案は、十年くらい前から持っていたアイディアです。

正確な時期は憶えていませんが十年くらい前に、『北朝鮮が食糧難におちいり、餓死者が多数出た』ことがありました。

その時の日本のメディアの報道は、「北朝鮮の人々は可哀相だが、危険な独裁者が支配している悪い国なので、救う事はできない。日本が支援する必要はない。」というものでした。

私は、このメディアや政府の考え方に、反対でした。

「隣に住んでいる人々が飢えており、一方で日本には食糧の余りがあるなら、理屈抜きに支援するのが人としての道だ」と考えていました。

日本政府やメディアは、「支援しても、飢えに苦しむ人々に届く保証がない。ヘタをすると食糧が海外に転売されてしまう。」と言って、支援しない事を正当化していました。

この意見には一理あります。しかし、相手を信用しなければどんな支援もできませんよ。

私は、「食糧支援をした上で、ちゃんと食糧が人々に届くように監視をすればいい。もし届かなければ、その事を北朝鮮の人々に知らせるように努力すればいい。そうすれば、国民は金政権に怒り、反乱を起こすだろう。」と考えていました。

一方、日本政府やメディアは、「放っておいて餓死者が大量に出れば、金政権は弱体化して、そのうち新しい体制になる」と主張していました。

私の考えと日本政府などの考えのどちらが正しかったのかは、分かりません。

ただ、北朝鮮の体制が今でも続いているのを見ると、政府などの対応・判断が適切でなかった事は明らかです。

当時、評論家の方には、次のように語る人がいました。

「経済封鎖をすると対象国が弱体化をして、その国の政治体制が変わるという意見がある。

しかし経済が崩壊し、生きるか死ぬかの状態に置かれると、皆が生きるのに精一杯になり、政治体制を変えようという余裕はなくなってしまう。

だから、間違った意見だ。」

私は、すごく納得しましたね。

前置きが長くなりましたが、私は北朝鮮で餓死者が大量に出ていた時期に、次のように考えました。

「日本は減反をしているが、世界的に見ると食糧に困っている国はたくさんある。

減反をやめて、余った米を無償もしくは安い値段で提供すれば、すばらしい援助になり、日本の食文化を広めることにもなる。」

現在の状況を見ても、この考え方は古くなっていないと思います。

最近は農業をどうするかが、国民全体の関心事になってきています。

そこで今回は、『減反をやめて、作れるだけ米を作り、余った米は海外に支援配布すること』を提案いたします。

日本では農業の話になると、農家の利益が出る出ないが、論点の中心になりがちです。

しかし、一番重要な事は、『世界全体で見た時に食糧に困っている人がたくさんいて、食糧を求めている国や地域がたくさんある』という事だと、私は思います。

一言で言って、日本が農業生産量を調整している事は、世界的な視点からみると「もったいない」です。

利益や理屈を抜きにして、生産量を増やし、海外に提供するのが良いと思います。

この提案を目にした人の中には、「そんな事をしたら、日本の農業は破綻する」と言う人もいるでしょう。

しかし私は、そろそろ農業・農作物に関しては、世界全体で提携をして、世界全体で生産・分配をしてもいいのではないかと思います。

そういう意味では、私はFTAには賛成です。
(TPPは、保険などあまりにも対象業種が多いので、加盟せず様子を見る方がいいと思っています)

日本は、世界でも屈指の農業技術を持っています。

この技術を世界に積極的に教えて、世界全体の生産量を上げ、品質も上げることが、長期的に見たら日本の利益にもなると思います。

食糧問題が解決したら、世界の紛争の数十パーセントが消滅するからです。

ここまで書いた事を実現させるには、政府のサポートが不可欠です。

私は、農家には全力で生産してもらい、余った分は政府が買取って海外に配るのが、これからの時代に合ったスタイルだと思います。

これを行うとどれ位の政府予算が必要になるのか、見当もつきませんが、このような政策を各国が行わないと、世界から餓死者が居なくなる日は来ない気がします。

この政策は、現実よりも理想・愛を先行で考えないと実現できません。
そういった意味では、ここで提案している事は、世界全体を創り変える提案とも言えますね。

話は変わりますが、私は福島での原発事故後は一貫して、福島産のものは食べないほうがいいと思っています。

福島で農業や漁業をしている人には本当に申し訳ないのですが、福島産を食べるのはリスクがありすぎます。
それは、チェルノブイリ原発の事故後のウクライナやベラルーシの状況を見れば、明らかです。

福島の農業・漁業関係者には補償をした上で、廃業をしてもらうのがベストだと考えています。

こういった事も含めて、日本の農業システムは大幅に変える時期だと思います。

最後に、まとめの言葉です。

農業問題は、日本国内とか何々県とかのレベルで考える時代は終わったと思います。

そして、ビジネスで考える時代も終わりにしましょう。
ビジネスで農業を考えている限り、世界から餓死者が居なくなる事はありません。

ビジネスではなく、純粋により多くの農作物を、より良い品質で作ることを目指す方向に、転換しましょう。

世界全体がそうすれば、10年くらいの間に、餓死者が地球上から消える日が来ます!


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