このところ、サッカーの日本代表が好調です。
特に女子はすごいですよね。
なぜ好調なのかについて私は、『世界のトレンドであるFCバルセロナのサッカースタイルが、日本に非常に合っているからだ』と考えています。
FCバルセロナは、前監督のライカールトの時から、今のスタイルを始めました。
(もっと遡れば、クライフが選手だったり監督だった時代までいきます)
ライカールトの後を継いだ、現監督のペップ(グアルディオラ)は、ライカールトの路線をさらに推し進めています。
日本のサッカー界は伝統的に、その時代ごとに世界の主流となっているスタイルを取り入れ、真似をしてきました。
その最大の理由は、日本がサッカー後進国だったからです。
しかし、日韓W杯の頃から、日本に合うスタイル・合わないスタイルがあり、「合うスタイルでない限り強くなれない事」が分かってきました。
これは別の言い方をすると、サッカー後進国を脱却し、自分のスタイルを模索し出したという事です。
模索して今たどり着いているのが、FCバルセロナのスタイルなわけです。
この選択が正しい事は、日本サッカー界の戦績から明らかだし、「バルセロナを目指している限り、もっともっと結果が出てくるだろう」と私は考えています。
○ ペップのバルサ・スタイルの特徴
ここからしばらくは、どうして『FCバルセロナのスタイル(バルサ・スタイル)』が日本人に合っているのかを、説明します。
ペップの押し進めるバルサ・スタイルの特徴は、以下に並べるものです。
①パスを大重視する。
(ドリブルによる個の力での突破よりも、パスによる組織での突破を目指す)
②戦術を大重視する。
(個の力よりも、組織の力で攻守を行う)
③攻撃性・連動性を大重視する。
(常に攻撃的な姿勢を持ち、高いディフェンスラインを保つ。選手たちに高い連動性を求め、献身的な動きを求める。)
④テクニックを大重視する。
(フィジカルよりも、ボールテクニックを鍛えあげる)
⑤ボールのポゼッションを大重視する。
(ボールを相手に渡さず、奪われたらすぐに取り戻しにいく。出来るだけ守備の時間を減らして、試合の主導権を握る。)
⑥規律を重視する。
(これはバルサの伝統的スタイルではなく、グアルディオラ監督の特徴です)
この①~⑥を見れば、それだけで日本人に合っていると分かるでしょう。
○どうしてペップ・バルサスタイルが日本人に合っているのか
日本人選手の欠点は、「フィジカルが弱い事」、「個の力による解決が苦手な事」、「ひらめきによるプレイが苦手な事」、「決定力がない事」が挙げられます。
日本人は体格的に、ヨーロッパ人や南米人よりも、厚みがなく高さもないです。
これは生まれつきや食生活の問題なので、仕方ありません。
また日本人は、個人能力の爆発で勝つよりも、皆で力を合わせて勝利する事を好みます。
そのためどうしても、個の力や天才的なアイディアが軽視されます。
これも民族性なので仕方ないし、別の視点から見れば長所になるもので、変えるものではありません。
これらの欠点を(日本人の特徴を)、バルサスタイルでなら解決できます。
まずフィジカルについては、「パスのスピードと精度を高める事で、フィジカルコンタクトを少なくする」という方法で、バルサは解決しています。
個の力がない、ひらめきがないというのは、バルサでは見られませんが、その理由はメッシの存在が大きいです。
メッシのいない時は、バルサはこの状態になりがちです。
それでも、「組織力と戦術力」でバルサは補い、勝ちます。
決定力については、「徹底的にパスで崩し、キーパーと一対一になる、もしくはキーパーまで抜く」という解決法をバルサは取っています。
誰でも決められる所まで、崩しちゃうわけです。
どうでしょうか? バルサのスタイルが日本人に合っている事が、理解できたと思います。
日本人の長所である「献身性」、「組織力」、「戦術理解力」、「技術力」、「アジリティー」を、バルサスタイルだと最大限に活かせるのです。
○私が一番言いたい事
さて、ここまではバルサスタイルと日本人の親和性を書いてきましたが、私が一番言いたい事は実は、「バルサ・スタイルが日本人に合っている」ではありません。
最初の方でも書きましたが、日本サッカー界はずっと、「その時代に世界の主流となっているスタイル」を追い続けてきました。
ですので、『世界の主流がバルサスタイルから他のスタイルに移った時』に(これは必ず訪れます)、その別のスタイルに移行してしまう可能性があります。
それを、私は危惧しています。
例えば、フィジカル重視のスタイルや、個人能力で打開するスタイルが、新たな主流となったとしましょう。
今までの日本だと、それが日本人に合っているかを全く考慮せずに、「よし! これが新しいスタイルなんだな! さっそく真似をしよう!」となっていました。
そうして、体格が全然違うのにドイツのフィジカル・サッカーを真似る、社会環境や気質が全く違うのにブラジルのファンタジー・サッカーを真似る、といった報われない行為を数多くしてきました。
この態度のため、サッカー・スタイルに一貫性や安定感が生まれず、常に迷走を続けている感じで、あるレベル以上に到達できませんでした。
私は、バルサのスタイルは「今までの全サッカースタイルの中で、一番日本人に合ったスタイルだ」と思っています。
だから、この先20年位は、バルサスタイルで完成度を高めていくのがベストだと思うのです。
ペップのバルサを目指し続ければ、男子代表もW杯で3位くらいには入れるように、やがてはなると私は考えます。
日本サッカー界の皆さん、ペップのバルサを一途に目指し続けましょう!
(以下は2013.6.22.に追記)
日記のページに、サッカーの記事を書いているので、良かったら見て下さい。
このところの日本サッカーは、どんどんバルセロナのスタイルになってきているし、強くなってきていますね(^-^)
一昨日のコンフェデ杯、対イタリア戦の日本代表の戦いぶりは、最高のパス・サッカーを見せていました。