衆議院を安倍首相が解散させ、総選挙となった
これは大チャンスだ
(2014.11.29~30.)

1週間ほど前に、突如として、安倍晋三・首相は衆議院の解散に踏み切りました。

あれよあれよと云う間の解散・総選挙に、多くの国民は戸惑っていると思います。

この解散について安倍さんは、「消費税を10%にするのを先延ばしにしたため、その信を国民に問う」と説明しています。

でも、ほとんどの国民は、「意味不明の理由だ、真意は別にある」と見抜いています。

安倍内閣はこの2年間で、主に次の政策を実行してきました。

『原発の再稼働の推進・原発の輸出』

『集団的な自衛権の行使容認(海外に出て戦争をする行為の容認)』

『日本製武器の海外輸出の容認』

『米軍基地の辺野古移設を強行するなど、対米従属の姿勢』

『NSCの設置(国民の目に触れない場所で、戦争や安全保障の政策を決める体制の確立)』

『特定秘密保護法の成立(情報の隠蔽制度の確立)』

『NHKなど言論界への圧力と介入』

『TPPによる農業などの破壊(多国籍企業による経済支配の容認)』

『アベノミクスによる格差拡大・貧困の増加』

『消費税の増税による暮らし破壊』

『年金資金の株式運用枠を大幅拡大(国民の財産を使って株価を引き上げ操作)』

『議員定数の削減(1票の格差の是正)の放棄(国民および民主党との約束の放棄)』

どれも、日本の良さを壊す政策、国民の要望に反する政策、です。

上に並べた政策は、ほとんどについて世論調査で反対の方が多数でした。
賛成が多数だったのは、アベノミクスくらいです。

さらに、解散で廃案になりましたが、『派遣法の改悪案(派遣労働者の固定化と待遇悪化)』、『カジノ法案(カジノを日本各地に作っていく案)』も、安倍政権は打ち出しています。

しかし安倍政権は、これらの問題の多い政策のうち、消費税とアベノミクスしか衆院選の争点にしようとしていません。

「集団的自衛権の行使容認は、大きな問題ではないから、争点にしない」と、ふざけた事を言う始末です。

国民を完全にバカにしていると思います。

安倍さんの言動を分析すると、「経済以外は、国民が考えたり判断する必要はない」と考えているのが理解できます。

彼の政治からは、一貫してこういう不遜さが感じられます。

安倍さんは、争点を少なくする事で、自分に都合の良い土俵で選挙をしようとしています。

ばればれの戦術だし、それに乗る必要は全くないです。

堂々と、原発や集団的自衛権についても、争点にしましょう!

ちなみに野田元首相は、『議員定数の削減(1票の格差の是正)』の政策を、約2年前に安倍・自民党と約束した人ですが、こう言ってます。

「自民党および安倍総裁は、議員定数の削減と社会保障の充実を約束した。だからこそ私は、衆院の解散・総選挙をした。それなのに未だに実行しない。約束を破った。」

まったく正当な怒りの表明だと思いますよ。

多くの方が指摘していますが、この衆院解散の真意は、次の3つです。

『閣僚の汚職が相次ぎ、このままでは内閣が保たないこと』

『景気がどんどん悪化してきており、このままでは内閣が保たないこと』

『良い政策がないので国民から厭きられてきており、このままでは内閣が保たないこと』

要するに、安倍さんが保身のために行ったものであり、私欲に基づいたものです。

「大義なき解散」、「自爆解散」、「安倍の安倍による安倍のための解散」などと呼ばれていますが、どれも妥当だと思いますよ。

私が嬉しく思うのは、国民がちゃんとこの真実を見抜いている事です。

これは、非常に希望の持てる状況だと思います。

今回の選挙は、自民党が負けるのはもう確定的でしょう。

なぜなら、ほとんどの国民が安倍政権の2年間に満足しておらず、怒りを感じているからです。

重要なのは、『どこまで与党が議席を減らすか』です。

安倍政権(自公政権)の2年間に不満のある人は、きっちりとそれを投票で表現しよう。

頑張ろう、みんな!

安倍政権については、私はすでに見限っており、4月17日の日記4月28日の日記7月2日の日記、などでその理由を語ってきました。

私はだいぶ前から「安倍政権はもう長くない」と感じていたため、4月28日の日記では『時勢を先取りして、次の首相について考える』というテーマで書きました。

政権の失速は予測していましたが、安倍さんは第一次政権の時と同じに「心が折れて退陣する」と考えていたので、解散・総選挙は意外でしたね。

「なるほど、そうきたか。以前よりは根性があるじゃないか。」と、ほんの少しだけ見直しましたよ。

安倍さんなりに努力・成長をしているのは分かりますが、すべて私欲・保身のためなので、評価はできないです。

安倍さんの政治を一言でいうと、『反動政治』です。

彼の行動・政策には、本質的に新しいものや創造的なものが無いです。

そして、過去の日本から自分に都合の良い部分だけを取り出して、「それが美しい日本だ」と言っています。

低級のナルシズムですよ。

私は「日本は、トータルで見れば少しづつ良くなっている」と考えているので、安倍さんのような過去に戻ろうとする路線には、共感できません。

それに、『弱者切り捨て』の路線にも共感できません。

政治とは、弱者を救済するためにあるものだと、私は考えています。

自民党は、今回の選挙では、「景気回復、この道しかない」をキャッチコピーにしています。

しかし、アベノミクスを続けても、真の景気回復は無いし、仮に回復しても庶民には恩恵はありません。

さすがに、国民もそれを見抜いてきましたね。

そもそも、「他の道はない」と宣言するなんて、幼稚だと思います。

「別の意見やアイディアに耳を傾けることは、絶対にしない」と言っているのと同じですから。

安倍さんを支持する人には、「待っていれば、こっちにも富が流れてくる。待つんだ、今は。」と言う人がいます。

自公の政治家たちも、「待っていてくれ。そのうちに、そこまで富が流れていく。」と言います。

しかし、そうやって30年待っても、何も変わらないでしょう。

いつまで騙され続けるのでしょうか。

自民党の本音を忌憚なく書けば、
「安倍独裁制(自民党の独裁制)、この道しかない」
「対米従属(軍国化)、この道しかない」
「財界重視と弱者切り捨て、この道しかない」
ですよ。

これは、今までの2年間の政治から明らかです。

自民党は、選挙の時になると、「国民の声を聞いて、富を公平に分配する」と約束します。

そして、飴を用意して、国民を懐柔しようとします。

しかし選挙が終わると、態度を180度変えて、時には公約を平気で反故にし、「国民を鞭でビシビシと打ち続け」ます。

私は、これが繰り返されるのを見てきました。

(安倍・自民党の場合は、「経済を最優先にしていきます」と約束し、経済以外の問題は争点化を避けておいて、実際にはバンバン経済以外の政策を強行するのも特徴です)

冷静に考えればすぐに気付けるのですが、自民党は約束を(公約を)守りません。

私は彼らの言動を見てきて、「彼らは9割方、嘘をつく」と分析しています。

それなのに、国民のかなりの人が自民党を盲信して、虐げられているのに自民党に投票し続けています。

私にはそれが、不思議で仕方ありませんでした。

冷静に眺めていると、『自民党がSで、国民がMの、変態プレイ』に思えてきます。

正直に告白しますが、政治家と国民の異常な関係(異常なプレイ)を見る中で、「日本人って、変態のマゾなのか?」と思っていた時期もあります。

しかし、その後さらに観察を続けていって、『国民の多くは、単純に無知なのだ』と気付きました。

もう無知から卒業しましょう。

自分たちを苦しめる政策をしているのに、選挙の時に甘い言葉を掛けられただけでコロッと信じるなんて、愚かですよ。

私は思うのですが、日本人の多くは、共産主義にかなり近い思想を持っていると思います。

弱者に手を差し伸べることや、皆に公平に富が行き渡ることを、多くの国民は求めていると思うのです。

アメリカには、「弱者なんてどうでもいい。クズなんだから、死んだっていいじゃないか。」と考えている人が、マジにかなり居ます。

いまアメリカで主流となっている『新自由主義(市場原理を盲信し、弱肉強食を完全肯定する思想)』は、この考え方が根底にあります。

でも日本では、ここまで割り切る人は稀でしょう。

日本人は、他者が苦しむ事や死ぬ事に対して、ここまで鈍感にはなれません。

多くの日本人は共産思想に共感を覚えていますが、「共産主義は危険だ」とか「中国みたいになる」と考えて、その感情を押さえ込んでいます。

ここで、そのくびきから、私が解放しましょう。

まず言いたいのは、『共産主義(社会主義)にも、ピンからキリまである』という事です。

日本では、(アメリカ主導の)強烈なプロパガンダが行われてきたため、「共産主義とは画一的でどれも危険なもの」と信じられています。

しかし実際には、色々なバリエーションがあります。

ロシアと中国は違うし、中国とベトナムも違うし、キューバやベネズエラも独自の道を行っています。

(ロシアは今は社会主義ではないですが、その雰囲気は残っています)

資本主義の国でも、アメリカと日本は違うし、フランスとドイツだって違うじゃないですか。

(それに、フランスとドイツでは、左派がかなり勢力を持っていますよね)

共産主義国にも、資本主義国と同様に、それぞれ個性があります。

この真実が、日本では英米寄りの情報が(プロパガンダが)圧倒的に多いため、なかなか理解されません。

例えば日本共産党と中国共産党だって、ぜんぜん違いますよ。

この2つを同一視する人は、無知かプロパガンダを信じているかのどちらかです。

私は、「今度の選挙では共産党に入れよう」と言うのではありません。

でも、「共産党=危険」とか、「社会党=古い」というのは、歴史的に見ても、いまの世界情勢をからしても、偏見です。

もっと冷静に、日本の各党の政策・主張を、分析してほしいんです。

どう見ても、今の日本で国民の意識と噛み合う政策を出しているのは、左派の政党なんですけどねー。

次に言いたいのは、『今までの共産主義がベストなわけではない』です。

日本では、共産主義というと、「過去に作られて、その考え方とシステムは全く変わっていない」と考えている人が多いようです。

しかし実際には、共産主義(社会主義)もかなり変貌してきています。

つまり、『現在進行形』の思想なんです。

日本共産党をはじめとする、日本の左派の党は、今までの歴史に執着することなく、より柔軟で民主的な方向を目指してほしい。

過去の共産主義国の行いを見ると、強圧的な政治が多く、けっして支持できるものではなかった。

多くの日本人が左派の党を支持しないのは、まだ政策や組織に硬直性があり、改革努力が足りないからです。

日本共産党に限らないのですが、「党員を優遇するシステム」は共感の拡大を妨げていますよ。

あれは止めてほしいです。

今までの共産主義や社会主義の行為に不満があるのは分かりますが、だからといって資本主義が美しい事にはなりません。

資本主義だって、多くの不正や汚職や戦争や虐待をしてきたのです。

世界各国の現代史を学べば、『西側陣営と東側陣営は、どっちもどっちだ。悪事に大差はない。』と気付くはずです。

多くの日本人は、新自由主義の世界(アメリカが進める弱肉強食の世界)にうんざりしています。

これは、健全な感覚ですよ。
だって、我々は(一般人は)弱者の側に居るんですから。

共産思想(資本家・金持ちによる搾取を無くし、富を公平に分配して、弱者を見捨てない、という理念)そのものは間違っていないし、日本人の多くは心底ではそれを求めていると思います。

『かつてない、素晴らしい形の共産(共生)の仕方』を、みんなで生み出そうよ!!

日本人が一番ワクワクする道は、これだと思います。

自民党は、「地方創生」「女性が輝く社会」を口にしています。

でも、彼らは口先で言っているだけだし、実行する気がさらさら無いのは、この2年間の政治で明らかです。

とはいえ、これは国民が求めている事ですよね。

そういう意味では、自民党はやり方が上手いと(騙し方が巧妙と)思います。

いちおうスローガンとして弱者救済を掲げて、ほんの少しだけ実行し、それを隠れ蓑にして「中央集権かつ弱肉強食の政策」を行う。

単純な騙し方なのですが、なぜか多くの人が引っかかってしまいます。

「地方創生」も「女性が輝く社会」も、本質的には左派の(共産主義や社会主義の)考え方なんですよ。

決して資本主義的な考え方ではないです。

ですから、それに魅かれるならば、実行する可能性のある左派政党に票を入れるべきです。

固定観念をとっぱらって、頭をクリアーにして、各党の政策・主張を見て下さい。

メディアや評論家の言葉ではなく、自分の心で判断を下してほしい。

そうすれば、今度の選挙では素晴らしい結果が出るでしょう。

なにより、選挙に行こう!

行かないなんて、あり得ないよ。歴史を変えられるチャンスなのに。

貴方が坂本龍馬や織田信長になれる場、それが選挙なんですよ。


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