タイトル私利私欲にはしる国家官僚は、愛を持って免職にしよう
(2012.10.16.)

日本ではもう長いこと、国家官僚の腐敗が問題になっています。

1990年代の初めにバブル経済が弾けて以来ずっと、
「官僚たちは、国民のためよりも、自分たちの利権のために働いている。国民をバカにし、国民の知らない所で天下り利権や、仲間が経営する組織のための利権を作り続けている。」と言われ続けています。

しかし、一向に状況が改善されません。

最近でも、『東日本大震災の復興予算が、復興と全く関係ない所に使われている事』が問題になっています。

一体なぜ、いつまでも官僚の腐敗が止まらないのでしょうか。

私は、多くの国民に「官僚たちはどうしようもないが、ここに手を付けると今の日本のシステム全体を変えざるを得なくなる。それはめんどくさいし、怖い。」という意識があるからだと思います。

今の学歴社会システムでは、国家官僚は一番のエリートです。

その彼らを「私利私欲にはしる、無能な連中だ」と認めてしまうと、学歴社会システムが機能していない事を認める事になり、日本社会を根幹からもう一度組み立てる必要が生じます。

多くの人はその事を理解しており、一歩を踏み出すのを恐れている、のです。

ですが、「学歴社会システムが機能していない事も認める事」は、実際は何の問題もありません。

その事は、『私の提案 もう学歴社会は、終わりにしよう』で解説しました。

私は、「国家官僚のような職業は、奉仕・謙譲の精神を持った立派な人柄の人が向いており、誰もがなれる職業ではない」と思います。

受験戦争という『特殊で一部の能力しか測れず、人格を見極める要素の無い競争』で最も成績の優秀な者を、国家官僚に選出する今のシステムは、元々いまいちのやり方だったと思います。

現在の官僚システムを大幅に変えて、以下のやり方にすることを提案します。

①私利私欲にはしっている事が発覚したら(汚職をしたら)、愛を持って懲戒免職にする

②給料を一般の公務員並みに下げ、定年を65歳にして天下りを完全に禁止する

③就職時の資格による序列を撤廃して、公平な競争システムにする

④色々な特権を廃止にする

要するに、普通でまともな状態にする、という事です。

「官僚はエリートであり、高い給料や特別な待遇を得て当然だ」という今までの常識を撤廃して、「別に給料も待遇も普通だけど、国民のために尽くせる素晴らしい職業ですよ。やりたい人はいませんか。」という形にするのです。

今の官僚たちの多くは、利権作りを国民のための仕事よりも重視していますが、これは単に彼らが腐っているわけではないと、私は考えます。

彼らは自分にとってつまらない仕事をしている(向いていない仕事をしている)ので、日々が充実せず、「とりあえず持っていて損のないお金を蓄えてやろう、他に楽しみもないし」と思っている側面があると思います。

彼らは小さい頃から「エリートになりなさい、そうすれば幸福になれる」とか「安定した職や、大金があれば、幸福になれる」と言われて、それを信じて官僚になっています。

どこかの時点で「幸福とはそういうもんじゃないぞ」と気付いていると思いますが、「もう生き方は変えられない」とあきらめて、「仕方ない、せめて出世と利権のために頑張るか」となっているのだと考えます。

彼らがいつも苦虫を噛み潰した様な顔をして働いている事が、それを証明しています。

もし人々の幸福のために働く事に生きがいを感じていたら、どんなに大変な日々でも、もっと楽しそうに働きますよ。

ある意味では、彼らも学歴社会と拝金主義社会の犠牲者なのです。

「官僚たちを免職にするのは、頑張ってきたのにかわいそうだ」という意見もあるでしょう。

しかし、向いてない事を仕事にして、私欲の追求に邁進する人生よりは、思い切って転職して、やりがいのある仕事を探すほうが、彼らにとっても幸福です。

はっきりと断言しますが、もし私が官僚になって国民のために働く事になったら、その仕事だけ充実し、利権作りをしようなんて、ほんの一瞬でも思う事は無いです。

利権を作ろうなんて、発想すらしませんよ。
良心的な人なら、皆そうでしょう。

利権作りと利権の保持に最大のエネルギーを注いでいる事実から、官僚たちがいかに「自分に向いていない事をしていて、充実していないか」が分かります。

「国民の為に(他人の為に)汗を流す事が、楽しくてしょうがない」、こういう稀有な人を官僚にすればいいんです。
(稀有でも、全国規模で見れば数十万人はいると思います)

「いや、官僚は優秀な学歴の者(エリート)でないといけない」と言う人もいると思います。

この意見に対しては、私はこう答えます。

『今の日本は良い行政が行われているのか?
そうではない事は皆が良く知っている。

学歴システムで優秀な成績の者が官僚になって、上手くいっているのかよく考えてほしい。

それに、官僚たちは数年でポストが変わっていく。
それでも成立しているという事は、替えがきくという事なのではないか? 

多くの人は官僚=エリートと考えているので、替えのきかない存在と思っているが、組織は基本的に大きくなればなるほど、人を替えても機能する。

国家という大組織になれば、なおさら人を替えても機能するはずだ。

だから、学歴にこだわらず人格を重視した選考・起用にし、登用してみて国民の為に働かない人物だったら降格させて、別の人物にチャンスを与えるべきだ。

さらに言えば、仮にとても優秀だとしても、その能力を利権拡大(私利私欲)のために使うならば、何の意味もない。』

ここまで書いてきた事のまとめになりますが、一番重要なのはこれです。

『国民の意識が変わり、学歴を盲目的に信奉する古い価値観から脱却をして、人はそれぞれが充実できる向いている事をするのがベストなのだと、認識を改めること』

今の学歴・受験システムは、人が何に向いているかを判定する方法としては、非常に無能です。

この事に気付けば、官僚を信奉することはなくなり、官僚の中で国民の利益を考えない者がいたら、迷わずに解雇できるようになります。

冷静に考えれば誰でも、最近の「東日本大震災の復興予算を、復興と全然関係ない所に使う」という行いは、「国民への裏切りであり、充分に解雇するに値する」と判断できます。

官僚=エリートとか、官僚=お上であり逆らってはいけないという、古臭く、実は根拠薄弱な観念からは、もう卒業しましょう!


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